古漬けを何とかする
台所の片付けをしていたところ、隅の方からぬか床が出てきた。市販の袋入りのぬか床で、確か冬の寒い頃、大根のぬか漬けしたいな〜、と買い込んだものだ。買ってきて水を入れて1回目はクズ野菜を入れて、次ぎに大根を入れた。
…が、それをとりだした記憶はない。
確かその後、ものすごく忙しくなって、放置したんだよね。完全に忘れていたわけではなかったのだけど、何せ頃合いを過ぎてしまうと、取り出した後の処理も考えねばならない。ものすごくそれが億劫で、忘れたふりをしていたものだ。
で、今回ようやく意を決してとりだした訳だけど、これらは半年以上漬けてしまったはず。一体どんなことになっているのやら…と、おそるおそる中身を確認した。すると1cmの厚さに切って漬け込んでおいた大根は、5mm以下になって茶色く変色し、水分なんてほとんどない感じ。更に、変色した緑の葉っぱが出てきて、そちらは完全に忘れてたのだけど、多分カブの葉だったと思われた。
で、これをどうするべきか。そもそも、食べられるのか?
囓ってみると、塩気と共に乳酸発酵の酸味を強く感じる。さすがにこれでは食べたくない。しかし、食材だったものを食べずに捨てるのは何だか負けた気分がして嫌だ。何とか食べる方法はないか?
古く酸っぱくなった漬け物を料理する方法と言えば、思い出すのが沢庵の煮物。これはぬか漬けだからちょっと違うけれど、他に思いつく料理もないし、沢庵の煮物風に料理してみることにした。
まずは、千切りして水にさらして塩抜き。フライパンに油を熱して、塩抜きした漬け物さっと炒めて、そこへみりんと薄口醤油とお酒に砂糖と出汁の素を少々を入れて、きんぴら風に水気がなくなるまで煮詰める。そして、できあがる少し前に唐辛子を投入。
そして、こうなった。
で、できあがりを食べてみたら、これが意外といけるじゃないですか!作った自分が言うのも何なんですが、甘辛い中にほのかな酸味があって、こりこりした歯ごたえ。ちょっと味はきつめになったけれど、これだと白いご飯がいくらでも食べられそう。お酒のつまみにも良いんじゃないかしら。
普通のぬか漬けも美味しいけれど、これはこれでいけます!
そして私は、古漬けをとりだした容器に、またおもむろに新しい大根を漬けたのであります。
ほんと、また今週から猛烈に忙しくなる予定なのに、この時期にまた仕込む馬鹿。
大根は、ぬか漬けで食べられるか、それとも漬物の煮物になるか?
煮物だろうなあ…。