hyla’s blog

はてなふっかーつ!

鳥が落ちていたなら


 夕方、へとへとになって、ようやく最後の仕事をしていた時、まだ仕事が残っていた事を思い出した。昼頃、こんなものをもらっていたんだな〜。

 
 とある3階の部屋に飛び込んできて、衝突して死んでしまったと言うこれは、カワラヒワの幼鳥だ。翼の黄色のラインはカワラヒワの特徴。けれど、胸の黒い筋や尾羽の短さは幼鳥、それも巣立って間もない幼鳥だと言うことを示している。敷地には、カワラヒワが巣をかける松なんかの常緑樹がたくさんあって、毎年何組も繁殖していて、冬になって季節風が吹くと、その古巣が落ちてくる。

 そして、そもそもカワラヒワという鳥はまっすぐ飛ぶ傾向があって、窓ガラスに良く衝突する。同じくらいの大きさのスズメに比べて圧倒的に衝突死が多いのがカワラヒワだ。特にこの時期は、巣立ったばかりの幼鳥がよく持ち込まれてくるのだ。



 で、これを処理しなければならない。とりあえず、いつもの手順に従って処理にかかった。

 まずは、ざっと体重、全長、翼長、尾長、ふ 蹠(ふしょ)、嘴峰の長さを測って記録する。
 それから、冷凍保存するための準備をした。これはプロに教わった方法なので、鳥の死体を拾って研究者に送りたい人はこの手順で保存しておくと喜ばれると思う。
 


 まず用意するのはラベルに、ラップ、それにジップ式のビニール袋。

 

 ラベルは、厚手のケント紙に太めの木綿糸をつけたもの。これに、鉛筆で日付(2012.7.6)と採集場所(住所)、採集者と(わかれば)種名を書いている。これがなければどれだけ貴重な種類であっても単なる死体になってしまうので、これは絶対にしなければならないことだ。プロな人には薄いプラスチックのラベルを使う人もいるし、紙に書いてラミネートする人もいる。だけど、こちとら素人なので、これしかできません!これが一番お手軽。これなら私でもできるのよ。 
 

 でもって、鳥の脚にラベルをつけておく。これで、どこで死んだものかがわかる。


 そして、ラップでぐるぐるにする。私はだいたい4重から5重くらいにしている。これは冷凍する時の乾燥防止。1年くらいなら、これでそれほど乾燥せずに維持できる。以前はぬらしたティッシュでくるんでいたのだけど、これの方がお手軽なので、こちらを教わってからは、ラップ式にしている。



 そして、最後にラップにくるんだまま、鳥の大きさに合わせたチャック式のビニール袋に突っ込んで気体を抜いてそのまま冷凍庫に入れてとりあえず終了。もちろん、ここではまだ書いていないけれどビニール袋にも、データは書いておく。日付と採集日と場所と鳥の種類。これがないと、開くまで中身がわからなくなるから、これも大事なことだ。


 で、冷凍庫の隙間に突っ込んだのだけど、これは小さな鳥だから入ったけれど、実は冷凍庫はもう既に一杯なんだな。これまでずっと東京の科博に送ってるんだけど、送ると鳥の先生からはあんまり溜めないで下さいと言われる。でもなあ、ついつい忙しさに紛れて気がつくと満杯に…。だから、余計連絡しづらいんだよね。しかも、今回は特に普通種ばかりだし…。

 
 でも、四国も今年は節電の夏。今度こそ寄贈せねば。勇気を出してメールしなければ…。

 

 そして、大きいだけに冷凍庫の大部分を占めているニホンアナグマもなんとかせねば…。滅多に手に入らない貴重なアナグマなんだけど、仮剥製くらいはできるけれど、この忙しさでは無理〜。
 
 
 どこかに良い引き取り手はいないかな〜。