hyla’s blog

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ストーブ

ストーブ


 寒くなり、職場にやっと暖房が入った。本当は
「12月に入らないと、使用してはならない。」
という決まりがある。が、その辺は融通の利く上司の判断で、
「試験運転は必要じゃあ!」
と、本日使用解禁となった。

 昭和30年代の古い建物であるので、暖房と言っても「今時?」って感じの写真のような大形の石油ストーブである。が、このローテク具合がなかなか良いのだ。
 
 ストーブは灯油で、ゴウゴウと音を立て、赤い火を見せながら燃える。その赤い火を見ると、暖かい気分がして、安心する。また、ストーブによる暖房は、熱のむらが大きい。寒いところは寒いが、当然ストーブの周辺は非常に暖かくなるわけで、屋外など寒いところから帰ってくると、皆ストーブの前に立って、熱いお茶でも飲みながら暖まる。せいぜい5分くらいなものなのだけど、前も後ろもまんべんなく焙ってぬくもって、そうしながらよもやま話をして、仕事を始める。
 
更には、ストーブの上はぬくいというか、熱いので、その熱を利用するときもある。時間のあるとき限定ではあるのだけど(ということは年に1回か2回くらい)鳴門金時だとかを持ってきて、アルミホイルでくるんで焼き芋をする。昨年は、「「石焼き」もできるんとちゃうんか?」
との発案で、ストーブの上にお菓子の缶をおいてそこに石を入れ、石焼き芋にチャレンジしていた。鏡開きのぜんざいの鍋も置かれる。鏡開きの餅が余れば、餅が焼かれているときもある。
 
戸を開けて帰って来たときに、温かさと部屋に漂う美味しい匂いに、自分は食べなくても嬉しくなるものである。何もなくても、10リットルという特大サイズの大きな丸いヤカンから、湯気が立ち上っているだけでもいい。

 
 昨年、施設の老朽化に伴い、職場の大部分の人が働いている大部屋の方は、冷暖房の機械を一新した。冷暖房ともエアコン1つでOKということで、そちらのストーブは撤去された。施設は、良くなったのだと思う。
 けれど、みんなで「ああ、さぶ〜。」「(ストーブは)あったかいねえ〜。」
と、特に意味のない会話をしながら、一緒にストーブを囲む良さはなくなってしまった。


 灯油のストーブは冬になると倉庫から出してきて設置して、春になれば片づけて、と手間がいる。また、灯油は毎朝補給しなくてはならない。
 エアコンは、スイッチ1つで終わりである。




 けれど、ローテクもまたよいものでございますよ。



注:ちゃんと仕事もしています。遊んでばかりの職場ではございませんので、念のため。