冬の虫
今日も山へ出かけて、車を降りたころでマフラーを忘れてきたことに気づいて後悔した。
寒いやん…。
いつの間にか、完全に真冬の寒さで、寒いの何のって。こんな日には、暖かなストーブの側を離れたくないけれど、とりあえずまだFITは続いているのだ。
山は、昨夜木枯らしの音がしていただけあって、先週に比べてぐっと地面の落ち葉が増えている。逆に上を見上げると、梢の間からは寒そうな空が見えていた。枯れ葉を蹴飛ばしながら薮に入ると、屋根はあってもさすがに少し枯れ葉がFITの受け皿に入り込んでいる。それらをピンセットで取りのけて、ほとんど何も入っていないように見えるものを回収してきた。
夜、それらを仕分けしてみる。まだ暖房していない部屋は寒くて、顕微鏡に触れる手が冷たい。それでも、覗いてみれば、それなりに色々入っていた。
まずは、タマキノコムシ。黄色の色が鮮やかで綺麗。でも、一体どうして彼等はこんな寒い時期に飛ぶんだろう。
それから、(少なくとも素人目には)よく似た小さな甲虫。でも、多分違うもの。でも一体何者だろう?
そして、ハネカクシ類。
う〜ん。1mm以下って、全く小さすぎ。そして大きな方もヒゲブトハネカクシ類だろうし、わかる訳がない!
そんな中で嬉しかったのがこれ。
これもハネカクシだけど、多分以前に入っていた気がする。この特徴的なシルエットと、牙には見覚えがあるんだよね。ひょっとして、調べたら種名がわかるかも?と思ってぱらぱらと図鑑を開いてみると、確かにこのシルエットと思われるものを発見。ムネボソヨツメハネカクシというものらしい。胸が細くて、頭にへこみがあって…という特徴は、ぴったり合う。分布も合うし、きっとこれはムネボソヨツメハネカクシだ、と思う。
学名を見ると、Boreaphilus japonicus Sharpとあるから、これはずいぶん昔から知られていた種類なんだろうし、ごく普通種なんだろう。でも、嬉しい。このハネカクシは、イメージがヤゴっぽくて、大きな牙はヘビケラ的。同じハネカクシなら、こういうものの方が、上のヒゲブトハネカクシよりは好きだな。
そして、もう少しで捨てるところだったのがこれ。
アリヅカムシだよね。触角の先が丸っこいし、硬い感じだから、種類はわからないけれどきっとアリヅカムシ。これまたこの寒いのに飛んでいるらしい。不思議だね。
と言う事で、今週も終了。
FITも、後もうちょっと…。