hyla’s blog

はてなふっかーつ!

シロハラ


 朝、仕事場の建物に入ろうとしたら、入り口でこんなものを見た。

 シロハラ…。拾ってくださいとばかりに落ちてたものだから、もちろんすぐに拾い上げて仕事場へ向かった。

 
 机に座って眺めて見れば、クチバシの先が少しずれている。半分開いた目は潤んでいて、体はまだ少し暖かだった。と言う事は、多分まだ死んで1時間以内だろう。薮の中で餌をあさっていた所へ人々が出勤してきて、驚いて飛び立って窓ガラスに衝突したんだろう。色合いからして、多分今年生まれの若鳥かな?
 
 仕事場ではちょうど今、クスノキの実が熟して鈴なりになっていて、毎日ツグミの群れがやってきては、実を必死に食べている。低木の陰ではシロハラが見えるし、今年は珍しくアカハラまで来ていた。これだけの鳥が飛び回れば、そろそろ衝突する個体がでるんじゃないか、と思っていたら案の状だ。


 たまたま時間もあったから、そのまま体重や体長、翼長といった基本データを計測しようと、そのまま機器類のある部屋に鳥を持っていった。準備をして計測をしようとしてシロハラを見たら、何かが動いている。

 

 ダニだ。シロハラは、地面にいる土壌生物を食べるせいか、ダニ類がついていることが多い。死んで時間がたつとそれらはどこかへ移動してしまうけれど、このシロハラは死んですぐだったので、ダニがまだついていたようだ。
 羽をかき分けてよく見て見ると、頸の所には、大きく膨らんだダニが2匹もくっついていたし、小さなダニもたくさん隠れているようだった。


 シロハラの繁殖地はロシアや中国東北部ということだから、このダニもそれらの場所からやってきたものだろうか。こうした渡り鳥によって分布を拡大する生物もきっと多いんだろう。



 シロハラは、とりあえずダニもつけたままラップにくるんで、ビニール袋に入れて冷凍した。



 にしても、冷凍庫はホントにもうぎりぎり。
 博物館に連絡して寄贈しないと…。