ユリは夜香る
昨日お華に行ってきた。
お盆の頃の華だから、パンパスグラスか五色ナスあたりが来るんじゃないか、と思ってたら案の定主体は五色ナスだった。花は青のリンドウに白ユリ、それにドラセナのゴッドセフィアナである。まあ、ありふれてはいるが、すっきりとよく合う組み合わせではある。
で、お盆の頃のこういう花は、やはり素直に入れようと思って、水盤に入れた。
何となく、一番高いのから適当に入れて、白百合はやっぱり高く入れて、リンドウはそうなると低くか…。ってな感じにやってたら、何とか入った。
家に帰って、そのまま家の花器に生け直したらなんだか今ひとつだったのだけど、形を直すのも面倒でそのまま一日たった夕方、3輪ついていたユリの花の2輪目が咲き始めた。夕方何気なく玄関に行って、強い香りに気づいてみれば、花が咲き始めていたのだ。
この花は、白百合だけど、テッポウユリとは葉の形が違うし、けれどオリエンタルハイブリッド系の「カサブランカ」なんかの花の形とも違う。明らかに花の形はテッポウユリの形を受け継いでいて、「ホワイト阿賀」あたりではないかと思う。整った姿をしていて、カサブランカよりもずっと清楚で、私は好きだ。
この花が、夕方に咲いて、しかもその開花時間(特に7時〜9時)に強い香りを放つと言うことは、明らかにスズメガ媒花の特徴だ。テッポウユリは割と香る時間帯に決まりはない感じだったけど、これははっきりしている。ということは、テッポウユリに夜咲きのスズメガ媒花のユリを交配したんだろう。
暑苦しい夜の薄暗がりに、すっきりと薫り高く咲く白百合はとても綺麗で、こういうときは花を習っていてそれなりによかったかもと思う。食べるものや衣類と同じく、こういうものも人らしくあるためにはひょっとしたら大切な要素かもしれないと前向きに思う時も、まあたまにはあるのだ。
とはいえ、我が家にはお客もないので、誰も見ない花なんだけどね〜。