hyla’s blog

はてなふっかーつ!

雨が好き

 
 いい加減雨が降らない。このままでは、相当な渇水になりそうで、このたびの雨雲には大変期待をしていた。ところがだ、降らないじゃないか!

 
 期待を込めて、出かけ際に全ての窓を閉めてきたのに、空気は湿って蒸し暑く、「暖かな南からの湿った空気」なのに、だのにどーして降らない?大阪から来たという人に応対したら、「大阪は豪雨が降って大変で・・・。」なんて言うから、「良いですね〜うらやましいです。」とついつい答えちゃったよ。ええ、香川県人の偽らざる本音ですよ〜。


 雷が鳴っても良い。理想的にはしとしと雨が一週間に2回程度だけど、もうここは台風的豪雨でもOK。とにかくダムに水を、川に流れを!


 って思っていたら、夜の10時過ぎ。突然涼しい風が吹き始めた。あれ?と思って見ていると、いきなり風と共に水滴が吹き込み始めた。窓の側にも本は山積み。慌てて窓を閉めて、別の雨の入らない所で雨を眺めてみる。

 
 夜の街灯に照らし出された地面が白くけぶり、向こうを通り過ぎる車のヘッドライトが雨を照らし、一斉に鳴くアマガエルの声に激しい雨音が混じる。屋根のある雨のかからない所にも、風と共に細かな水滴が飛んでくる。

 けれど、ああなんて奇麗な光景だろう。あれほどに乾いていた地面が、屋根が、何もかもが濡れて行く。地面にはあっという間に水たまりが出来て、きっと今頃は排水溝に集まった雨が一斉に川に流れ込んでいることだろう。そして、細く細く成っていた川の水幅が再び広がり、途絶えていた流れが復活するだろうか。それまで降るだろうか。ってか、頼むから降ってくれろ。

 

 と思いながら見ていると、空に稲光が見えて、そのうちごろごろ言い始めた。風と雨が蚊も追い払ってくれる。暗い闇の中で、空に走る光の筋をじっと眺め楽しんだ。

 
 この時期、十分熟した梅の実が、この風に落ちることだろう。十分な温度に、水が加われば、それはすぐに腐って、地面に溶けて消える。光と温度と水と。それがそろった時、全てのものが一気に反応していくことだろう。激しく光と二酸化炭素を吸収して草が茂り、枯れた葉は急激にに分解し、バッタやコオロギ類の子供が一斉に出てくる。青い筋を輝かせるニホントカゲの幼生だとか、蜘蛛だとか、そういうものがふ化したばかりの小さな昆虫を食って一気に大きくなる。全てのものが一斉に産まれて死んで、あるいは育つ。

 
 そういう全てのものを動かす原動力が、水なのだと私は思う。水が世界を動かすのだ。



 一晩中でも降り続けと、願いながら見ていたのだけど、そうしているうちに降り始めと同じように、急激に雨脚は弱くなった。風も止まる。


 ほんの20分ほどで、雨は終わってしまった・・・orz。






 ああ、残念・無念!



 そして、ふとみりゃしまいそびれた洗濯物がぐっしょりだった。




 


 でも、乾かなくてもいい。雨さえ降ってくれるんだったら・・・。(by香川県人)