hyla’s blog

はてなふっかーつ!

台風のあと

 昨日は、一日中激しい雨が降り続いた。この辺では総雨量は300mmを超えていて、さすがにそうなるとダムも放水するし、川の水位も上がる。そこで、夜が明けて早々に、海まで出かけた。


 河口では、川幅一杯に濁った水が海へ流れ込んでいて、海と川の境目がわからないほど。香川の川だから、普段は絶え絶えにしか水は流れていないのに、昨夜はたしか水位は150cm近くになったはずだ。一体どれほどの水が海にながれこんだのか、気が遠くなるほどだ。ああ、もったいない、もったいない…。(by 香川県人)


 そして、それらを全て飲み込んだ海の色は、濁って変色している。

 その濁りようは、先日の雨の時よりもっと広範囲で、濃く濁っている。それに、泥水がきていないところでも、海水は薄緑に見えるから、これは先日の台風で流れ込んだ栄養塩類で増殖したプランクトンの色だろう。今度の台風でも随分栄養塩類が流れ込んだだろうから、これから大量のプランクトンが発生するのだろう。


 
 そして、海岸はとみれば、大量の流木とゴミ。

 前回とは比べものにならないほどたくさん、そして大きな流木が流れ着いていた。これだけたくさんあると、趣味で拾いに来る人が拾うくらいではなくならないだろう。すると、こんな流木やアシ類は汚いと思うか、あまりにもたくさん打ち上がると火をつけて焼いたり、役場に連絡してゴミ処理してもらったりしているようだ。ペットボトルなどの人工ゴミは無くならないので処分が必要だけど、流木などの植物性のゴミは放置して分解されるのを待っても良いのにと思う。流木には、コガネムシの幼虫やアリモドキ、アリ類やハネカクシなど、たくさんの生き物が集まってくるのだけど、人の利用の多い海岸はこうしたものを残しておかないから、生き物がぐっと減ってしまうんだろう。それに、流木などのゴミは完全に堤防まで来ている。と言う事は、堤防まで完全に水をかぶっただろうし、その時に海にながされてしまった砂浜の生き物も多いんだろう。堤防は必要だけど、生き物の逃げ道をふさいでしまう存在でもあるのだろうと思う。



 ゴミの中を歩いてみると、川やため池から流れ込んでいたと思われるものがたくさんあって、例えば、クルミやヒシの実。それに、砂の上では、ブルーギル、の幼魚が干物になっていた。
 



 夕方、時間をひねくりだしてもう一つ別の川をみてきた。こちらも濁った水が流れていたけれど、既に随分水位は低下している。それでもまだ風が強くて、吹き飛ばされそうになる。カモメ類やトビでさえも、風に煽られながら飛んでいる。けれど、そんな強い風と波を待っていたかのように、河口ではパラグライダーで風を受けつつサーフィンのような事をしている人がいた。調べて見ると、これはカイトサーフィンというのだそうだ。いったいどこから来ているんだろう。一緒にウィンドサーフィンをしている人もいて、いずれにせよ普段は見られない光景。


 それから、風に煽られながらも、何かみられないかチェックしてみた。さすがに風が強すぎてハチ類は全く見られない。地面のゴミも打ち寄せられたばかりだから、ほとんど何もいない。けれど、砂の上に走るラインはコカスリウスバカゲロウのものだろうし、ゴミの中にわずかにうごくものが見えたから、一応採ってみた。


 帰ってチェックしてみれば、またもやゴミムシとヒラタホソアリモドキ。ここでヒラタホソアリモドキを採ったのは始めてだ。と言う事は、やはりこの時期がヒラタホソアリモドキの活動期なのだろうか?



 どちらの海岸も、今日のところはそれほどまだ生き物は見ない。けれど、昨年の事を考えると、今日打ち上がったゴミが少しずつ腐って行くにつれ、細かな大量の虫が発生するだろう。10月に採りに行ったら、きっとまた怪しげな小さな生き物が山ほど採れることは間違いない。



 って、採るべきか、採らぬべきか、それが問題。
 だってなあ、未マウントの標本がてんこ盛り!


 ε=( ̄。 ̄;)フゥ