hyla’s blog

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夜咄


 お茶の先生が
「今年の納会は「夜咄」をします。」
 とおっしゃる。
 どうやら計画は計画は夏の間から始まっていたようだ。そういや、夏に
「どっかに石菖(せきしょう)ない?」
 と言われ、谷川に採りに行った覚えがある。(「夜咄」には石菖という植物がつきものなのだ)



 「夜咄」の茶事っていうのは、冬の夕方から夜にかけて行う茶事で、ろうそくをつけて、行灯の光でお茶を点てる。今年の納会は「夜咄」をするから、今日はその練習ということで、まるで時代劇に出てきそうな手燭にろうそくをつけて流しだてをした。


 部屋の電灯を消して、ゆらゆらするろうそくの黄色い灯りと、炉の中で燃える炭の赤い火を頼りにお茶を点てる。薄闇に赤楽のお茶碗と、朱の袱紗が美しく映える。身動きをすると、炎が揺れる。炭は赤々とおこって、釜の湯が音をしゅんしゅんと音を立てる。


 そんな中でお点前をしたのは初めてだったけど、何となく背筋が伸びる感じがして、なかなか良いモノだと実感。アタシは、好きだね。国語の教科書に載っていた「陰影礼賛」という文章を思い出す。きっときらびやかな金糸銀糸の着物も、ゴージャスな輪島塗りの道具も、ほの暗い茶室の中で、上品に光るだろう。


  
 
   
 来週の納会が、楽しみでございますよ。