hyla’s blog

はてなふっかーつ!

微妙に違う場所


 仕事に出る前、いつも行く浜辺で採集してみた。せっかく8月末にテストしてみたに、台風が来るとまた砂が動くじゃないか!その前に、9月の採集を行っておきたい。

 平日だし天気も悪いから、さすがに人は誰もいない。でも、先日の失敗に懲りて、昼までの雲の動きを見て、何とか雨は降らないだろうことを確認。そして、海岸を掘る。
 

 ちなみに、今この潮間帯ハネカクシを含めた生きものがいるのはこんなところだ。



 いつも掘っているところと、どこが違うんだ?というと、実はいつも掘っていたところより少し手前なのだ。そして、砂利が細かい。
 この辺の浜辺はたいてい端に行くにしたがって砂が荒くなり、やがて岩場になっていく。私がいつも掘っていたのは奥の方の岩場の手前で、ここには少し荒い砂利が集まってくる。ところが、ここは今、さっぱり生きものがいない。綺麗な粒のそろった砂利だけどそれだけで、ジムカデやトビムシもほとんどいない。ここ砂利は台風で一度一気に減って、その後最近集まって来たものだ。その結果、以前に比べて砂利の大きさがほんの少し大きくなっているように思う。
 ところが、少し手前の3〜5mmほどの砂利が集まった場所を掘ると、ここでは中にはいろんな漂着物もあって、生きものがいる。


 ほんの10mくらいの場所の違いで、生きものの数が劇的に違う、というのは驚きだけど、考えていれば納得できる話でもある。直接・関節的に餌となる海藻の有無に加え、高温の時期には乾燥はきつくなる。そういう時期には、少し細かい砂の方が乾燥しにくいのだろう。
 だから、もし潮間帯の生き物を探したければ、ここのような浜は良い場所だと思うけど、それでも季節によって、砂の状態によって、掘る場所を考えなければそこにいても採集できないだろう。寒い時期に活動するものもいるし、夏にだけみられるものもいる。やや乾燥した場所を好むものもいるし、掬った砂から水がしたたり落ちるような場所が好きな生きものもいる。大きなものは大きめの砂利にいるし、小さなものは細かな砂利の中にいる。
 そして、この海岸は自然のままに、砂から岩場まで多様な環境が連続していて、それがここで見られる生きものの多様性を支えているのだろう。

 
 
 砂を掘ってはバットに入れ、それを捨ててまた掘るという行為は重労働だけど、そういうことを考えながらぼちぼち掘ってはその中から出てくる生きものを見ていくと、あっという間に時間がたつ。結局ぎりぎりまで掘って、そのまま出勤した。


 が、出勤前2時間の砂堀は、意外ときつかった。後に堪えるなあ。
 そして、採ったものの整理が恐ろしい。どんだけ時間がかかるやら…。