hyla’s blog

はてなふっかーつ!

秋の礫浜


 昨日まで仕事で、ようやく今日が休み。朝ちょっとだけぼーっとして、いつも行く海岸へ出かけた。9月になってからも、どんどん秋らしさが増してきている。海岸の生き物も、かなり変わってきているだろうから、確認してみよう。

 海岸では、ちょうどハマゴウが秋の開花を始めている。水滴をまとった薄青い花は、何となくダンギクのように見えた。ただし、残念ながら天気が悪いせいもあってか、ハチは見ず。そろそろ秋のハチも、活動を始めているだろう。


 浜辺をひとしきり掘って、そのまま隣の礫浜に行ってみた。暑い最中に石ころだらけの礫浜を掘るのは、かなりしんどい。暑さを避けて深く潜っている生き物を礫の中から掘るのは、過酷。でも、随分涼しくなって、生き物も見つけやすくなっているはずだ。浜辺の方でも、8月にはどうしても見つけられなかったものが出てきているから、礫浜も良い感じになってきているかもしれない。

 ちょうど潮の引いた礫浜では、おじさんが一人ゴカイを掘っていた。たった一人で、三畳ほどの広さを掘り返している。帰ろうとするおじさんに「ゴカイですか?」と話しかけると、「そうや。最近はどこも浜辺が減ってきてゴカイがおらん。ここぐらいしか、採れんようになったしもた。」と言っていた。
 ここだって、狭い海岸なのにたくさんの人が繰り返し掘り続けているのだから、そんなに掘るとそのうちここも採れなくなるだろうと思いながら、「そうですねえ。」と曖昧に相槌を打った。

 
 そして、おじさんの帰った後、狭い礫浜のいろんな環境を、ちょっとずつ掘ってみた。 


 礫の上に筋状に海藻が溜まったところを掘れば、そこからは小さな黒いヒメハネカクシの仲間と、ワラジムシが出てくる。冬に見る黒いヒメハネカクシとは形が違うけど、砂の混ざった海藻が好きだということは同じようだ。それに、ハマワラジムシがたくさんいた。



 堤防近くに溜まった1cmほどの砂利を掘ってみると、イソハネカクシが出てきた。初めは1回掘って2,3匹だったのに、一番下の砂利を入れたバットを見てびっくり。バットが黒く見えるほど、たくさんのイソハネカクシがいる。この時期の砂利の海岸では、イソハネカクシは波に近い砂利の中にいるけど、こういう礫浜では細かな礫の底にいるようだ。
 でもこれは、クロイソハネカクシとかその辺のもののように見える。ここだけで見る、ちょっと大きなイソハネカクシではないような…。あれは、この時期どこにいるのだろう。



 それから、波に近い所の砂利を掘ると、ゴカイがたくさん。ここのゴカイも、いなくなる前に採集しておいた方がいいのだろう。でもゴカイなんて、絶対わからない。

 

 そしてそんなゴカイに混ざって、こんなものも出てきた。小さな1cm弱のこれは、ゴミムシの幼虫のように見える。こういう形は、ゴミムシの幼虫だよね?となると、これはツツイキバナガミズギワゴミムシの幼虫なんだろうか?ツツイキバナガゴミムシの生活史は、どうなっているのだろう。

 
 帰りに、川の河口に寄ってみると、もうアシの穂が出始めていた。秋や春という、変わっていく季節は、本当に変化が激しい。