hyla’s blog

はてなふっかーつ!

汽水の生き物


 いつもよく行く河口へ、とある生きものを探しに行った。それは、「ハエのように見える」ものらしい。とりあえず引き潮で広くなった中州に入ってうろうろしてみた。


 何もいないように見えるけれど、座り込んでじっくり眺めていると、土の上を小さなものがたくさん飛んでいる。 が、「ハエのように見える」ものではなく、どう見てもハエそのもの。黒いハエが、そこここで飛んでいる。これは、交尾行動なのだろうか?一応念のために採ろうとすると、結構ハエは採りにくい。地面ギリギリにいるので、網をふるうと土を擦りそうになってうまく網に入らない。地面にいるハエに網を上からかぶせるようにすると、入ったはずなのにハエは見えなくなってしまう。中州にいることから考えて、彼らは満ち潮の時間には地面に潜っているのだろうか?地面から飛び立つところをすくうようにして、何とか数匹採ったけれど、どう見ても何度見てもハエはハエ。ハエなんか、種はわかるわけない!ひょっとしたら河口に特有のハエかもしれないけれど、標本の作り方もわからないしなあ…
 ということで、さんざんハエを眺めて中州をあきらめた。
 
 
 次に見てみたのは、上流方向に歩いたアシ原近く。引き潮で流れは消えて、小さな水たまりができている。そこに近づくと、随分遠くからでもすぐに気付いてたくさんのカニがアシ原に逃げ込んでいく。アシ原の中には、小さなウンチと穴が至る所に見えて、アシハラガニがたくさんいるようだ。
 水たまりを除くと、小さなハゼがたくさんいる。それに、茶色の縞模様のあるテッポウエビもいて、パチパチを音を立てていた。それに、潮の引いた土の上では、ハクセンシオマネキの白いハサミが、動いている。はさみの動きも楽しいけれど、ハクセンシオマネキが慎重に穴から出てくると同時に、折りたたまれていた眼がピッと立つのは、何とも可愛い。



 今日は更に上流部に行ってみた。すると、少しずつ植物が変わっていくのがわかる。フクドやハマサジやからアシ原に変わっていくのだけど、その中にちょっと変わった植物を見た。少し肉厚なので、これも塩生植物だろう。でも、茎に節があって、引っ張るとぷつぷつと切れる。そういう節の感じは、アツケシソウ的だけど、ちゃんとした葉があるので、アツケシソウではない。これはいったい何だろう?何となくレアっぽい雰囲気だな。

 同じところで見たこれも、レアっぽい感じがする。小さな5mmほどの巻貝だけど、見たことのない形。何も持っていなかったので、そのまま置いてきたけれど、採集しておいたほうがよかったかな?標本があれば、いつか貝の専門家に聞くこともできる。いつ何時何が採れても良いように、エタノールとサンプル管は、いつでもバッグに入れておいた方が良さそう。


 ということで、結局今回採って帰ったのはこれくらい。これは小さいけれど、細かな毛がびっしり生えている。これって、ヤマトヒメテントウで良いのかな? 


 同じ川でも、ちょっと視点を変えると、まだまだいろんなものがいるというのがわかったのが、今回の収穫。でもそれって、この川に、堰がなくて、汽水の範囲が広いからなんだろう。
 ここは小さな川だし、これだけ何度もきているのに、まだまだ調べることは限りない…。