hyla’s blog

はてなふっかーつ!

セミ


 今日も暑い。この時期が一年でも一番暑いのは昔からだけど、以前は一番暑い時間でも32℃だった。それが今では35℃。この3℃の違いは、大きい。さすがの私も、ばて気味。


 中庭に出ると、この暑い中セミがわしゃわしゃ鳴いている。鳴いているのはほとんどクマゼミ。これまた昔は、クマゼミなんてこの辺ではほとんど見なかった。セミと言えばアブラゼミばかりで、小学校のころ子供会で行った女木島で始めてクマゼミを見て、びっくりしたっけ。でも、今は見るセミの半分くらいはクマゼミだ。


 今日は、そんなクマゼミが手の届く高さにたくさんいた。実際にケヤキの止まっているクマゼミにそっと手を伸ばしてつかむと、とたんにとんでもなく大きな音でぎょわぎょわと鳴きはじめたので、あせって空に放り投げるとそのまま飛んでいった。光る梢の先でも、黒い体がふわりふわりと飛んでいた。
 セミは夏の初めの出始めたころには、網でなければ絶対に届かないような高いところにしかいない。けれど、8月の中旬ごろになると、せいぜい人の背丈ほどの高さに留まるようになって、目につくようになる。低いところに留まるセミは、夏が後半になってきたということを意味している。そして、やがては地面の至る所でセミの死骸を見るようになる。

 
 そのセミの死骸も面白いことに、クマゼミが圧倒的に多い。この辺の平地で、抜け殻を用いてセミの種類を調べれば、クマゼミアブラゼミが半々くらいで、他に少しだけニイニイゼミツクツクボウシが出る。それに対して翅も含めた死骸は、ほとんどクマゼミばかり。以前調べた時には、クマゼミは発生数の10%くらいが死骸として回収できたけれど、アブラゼミは3000個体ほど抜け殻を集めたのに、死骸はわずかに数個だった。

 
 死骸が残るということは、捕食者に食べられなかったということだ。逆にいうと、アブラゼミはそのほとんどが最終的に他の生きものの餌になっているけれど、クマゼミはそうではないということ。セミを食べるのは、ヒヨドリなどの鳥に、スズメバチなどの大型の狩りバチだろう。特にヒヨドリは、セミを食べているのをよく見る。
 クマゼミアブラゼミに比べると、少し大型で、体の幅も広い。だから、セミを食べようとする捕食者の口の大きさに対して少し大きくて、食べにくい存在になっているのではないかと思っている。ならば、クマゼミの分布が拡大することは、セミを餌としている生物にとって、結構大きな影響があるんじゃないだろうか?


 実際の所は、どうなんだろう。一度、プロの見解を聞いてみたいな。