「ストレイン」
某所にてじっとしている、という用件があり、退屈しのぎにこれを準備した。
- 作者: ギレルモ・デル・トロ,チャック・ホーガン,大森望
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/07/05
- メディア: 文庫
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載ってたのは1冊だけだけど、これは「沈黙のエクリプス(上)(下)」「暗黒のメルトダウン(上)(下)」「永遠の夜(上)(下)」という全三部作の吸血鬼もので、シリーズ名としては「ストレイン」というものらしい。作者は、パシフィック・リムの監督、ギレルモ・デル・トロ。訳者は大森望だから、読みやすいだろうし、一気に読むならこういうのもアリかな?と思ってこれを選んだ。
で、まあ一気に読めたのだけど、微妙。
吸血鬼ものだけど、吸血鬼になるのはウイルスのせいで、これでは吸血鬼になると変形して喉の奥から触手のようなものが飛び出てほとんど人間とは思えないような形態になるもので、これは怪獣好きのギレルモ・デル・トロらしいなあ。
そして、空港に着陸したまま連絡が絶えた旅客機の中に入ると、すべての人が死んでいた。なぜ?と調べていく「沈黙のエクリプス」はテンポよく進む。気付いた頃には吸血鬼は一気に数を増やし、人類絶滅?と思ったら、吸血鬼の支配する世界で、人類はいわば吸血鬼の家畜的に生きながらえることに。その現状を何とかしようとするのだけど、何だか行動パターンがすごく私情に支配されているなあ。
吸血鬼の正体が、堕落した天使の断片というオチも、キリスト教徒ではない者にとっては、ああそうですかという感じ。SFっっぽさはあるけど、あくまで「っぽさ」だし、むしろB級サスペンスとして割り切って楽しむのが正解かな。
まあ時間はつぶせました。