hyla’s blog

はてなふっかーつ!

季節が変わる


 タンポポを追いかけて海岸近くに行ったので、ここまで来たならとついでに海岸の生き物も見てみた。というか、ここまで来て、何も見ずに帰れない。

 先日来たときから2週間ほどなのに、もう海岸のハマエンドウの花が咲き始めていて、ハチも飛んでいる。大きな黒と茶色のマルハナバチも飛んでいて、あれはクロマルハナバチの女王ではなかったか。花の季節は短いから、今度はちゃんと網を持って来たいな。


 そして、波打ち際では砂利の中に海藻が堆積していて、足下はふかふか。この海藻を直接・間接的に餌にして、これから一気に生き物が増えそうだ。


 既に、先日と比べても生き物の種類は変わっていて、今回は小さなナギサ系的なハネカクシが増えていてる。そして、そういうものと一緒にもっと小さなトビムシもたくさん採れる。トビムシは柔らかいし、ハネカクシの中にはこれを食べているのもいるだろう。
 そんなものをいたとき、トビムシと同じくらい小さな、ほとんど1mmほどしかないのだけど、でもハネカクシっぽいものがいるのに気づいた。左の写真のちいさなものはトビムシ。でも右の小さなものは、ハネカクシだよね?
 あまりに小さいから、これは絶対採ったら泣く。けれども、これの正体に何となく心当たりがあったので、採ってみた。
 


 そして、家で確認したなら、やはりこれは小さなハネカクシ。少し黒っぽい茶色で、柔らかい体。それから頭に短眼があって、複眼がない。ということは、これは以前にも採ったことがあるハネカクシだ。ペラペラハネカクシの仲間で、こんなに小さいのにちゃんと名前はあるようだけど、確か「なんちゃらハネカクシ」と聞いたのに、さくっと名前を忘れてしまった。

 この小さなハネカクシは、以前採った6月にはあまり採れなかったけど、今回は結構たくさんいたので、今が発生時期なのだろう。以前はちょっとしか採れなかったので珍しいものかと思ったけど、この分だとそうでもないようだ。ただ、いる場所が波打ち際の近くのかなり限定された範囲にいるのと、あまりに小さいこと、季節が良くなかったことで、去年はあまり気づかなかったのだろう。


 こうやって1年を通して海岸の砂の間の生き物を採集してみて驚くのは、小さなハネカクシ類も、季節によって全くその様相が変わってくることだ。こんなに小さな生き物なのに、種によって活動する時期はかなり違うし、多くのものがある一定の時期にしか見ない。海岸の砂の中で活動する生き物でも、季節によって活動する種類も活動場所も変わってくる。そんなのは当たり前の事だろうけど、実際に自分で採って確認してみると単純に感心する。
 某所より頂いた海岸の生物の資料に、「海岸の調査も、年間を通して調査する事が大切。」ってな事が書かれていたけど、ほんとだね〜。ならば、恐ろしく地味な生き物調査だけど、こうやってちょくちょく眺めて発生消長を確認していくことは、それなりには意味はあるのかな?
 
 でも、「瀬戸内海の礫浜に生息する生物の種類と季節変化」なんて、あまりにマニアックすぎる情報。興味のある人は、日本に何人いるんだ?
 0ではないだろうけど、ひょっとしたら1ケタ?