hyla’s blog

はてなふっかーつ!

人が利用する海


 天気も良かったので、昼から海岸へ行った。すると、ちょうど干潮だったようで、かなり潮が引いている。いつも行く礫浜も、かなり沖の方まで礫が出てきていて、そこにはびっしりと海藻が見える。こうやって見ると、ここはかなり沖合まで、浅い海が続いているのだろう。小さな漁船も出ていて、竿をもっていたから、この時期たぶんワカメを採っているのだろう。漁船を木造にして、漁師さんの衣類を着物にすれば、この景色は、明治や江戸の光景とたぶんそれほど変わらない。

 
 その漁船が出航した港も、昔はきっと石造りだっただろうけど、今はコンクリート。けれど、今日のようによく潮が引くと、元のゴロタ浜の名残が見える。堤防にかかったはしごを下りて、そんな石をめくってみると、石の裏にはいろんな生き物がいる。オレンジ色の小さなワラジムシは、海岸性のワラジムシの中でも特に良い岩礁でしか見ないものだ。ここもその一つで、ここには割とたくさんいる。もうこれも、そろそろ活動時期か?
 それに、潮間帯性のハネカクシもいて、人頭大の石をめくると、石の裏だけでなく、その下にしみ出た水の表面にも何かが動いている。けれど、これってハネカクシにしては、結構大きいよね。見た瞬間に、大きいなあと感じてしまった。って、日頃どれだけ小さなものを採っているか、ということだね。



 礫浜の近くの海岸でも採集した後、帰りに河口へ行ってみた。ここでも、潮が引いていて、干潟の石には少しずつスジアオノリが伸び始めている。私が飛ばしてしまったカモメ類の向かった先には、たくさんのヒドリガモがいて、アオサやなんかの海藻を食べていた。カモの季節も、もう残りわずかだね。

 
 そのまま干潟を上流方向に歩いていくと、こんな網が張ってあった。これは、シロウオ漁の梁だろう。この川では毎年シロウオを採っている人がいる。
 シロウオは、環境庁のレッドデータにも入っていて、香川県だけでなく多くの県でレッド指定されているようだ。シロウオ漁の様子は春の風物詩的な扱いでニュースになることがあるけど、レッド指定されている生物を捕ることを容認しているのはどうなんだろう。特にこの川はそれほど広くないので、川幅いっぱいに網を張っているから、個体群に対してかなりな影響を与えていることは確かだろう。


 とはいえ、人が捕ることよりさらに、河川改修の方が影響が大きいのは確か。こうした漁が行われていると、河川改修に対して「漁獲権が〜」とかで、待ったをかけることもある。そういう点では、人の利用が環境保持に役立っているとも言える。
 
 海と陸の間に暮らす様々な小さな生き物にとっても良い、人にとっても良い利用の仕方とはどのようなものだろうと考えることがある。定量的にいろんな環境でデータを採って、個体数とか多様性とかを比較して見れば良いのだろうか?でも、さすがにそこまでは私の手に負えない。
 誰か調べてくれないかな〜。(←他力本願)