hyla’s blog

はてなふっかーつ!

某会2日目


 今日も朝から汽車に乗った。しかし、今日は寝坊して、時刻ぎりぎりに走り込むことに…。
 寝坊して遅れるのは、昨日はともかく、今日はマズイ。自分が発表する日なので、大変マズイのである。なのに、起きたら発車時刻まで30分を切っているではないか。慌てて着替えて、お財布と携帯とメモリが入っている事だけを確認して出た。


 そして、列車の中で「ちゃんと間に合ったと言う事は、ラッキーなんだ。今日はラッキーな日なんだ。良いことが一杯あるんだ。悪い事は起こらない…。」と考えてみる。

 
 会場では小さくなって、順番まで発表を聞いていたけれど、今日の発表者は全体に皆上手い。ムネアカセンチコガネの話なんて、これでもかってくらいに詳細に調べ上げていて、しかも話の流れも発表自体も、とても綺麗な発表。他の人達も、学生さんでも優秀なんだろうなあ、と思う人ばかりだ。完全な一般peopleなんて、私くらいなもんじゃないか?
 
 
 そして、午後の部になった途端に、更にレベルアップ。午後第1番目の方は、のっけから「○○はカッコイイ」とか、かましてくるし、スライドがすごく綺麗。聞かせる事に、長けている。
 そして、直前の方は、もっとすごかった。そりゃ、そうだよね。バリバリのプロ研究者で、すごく偉い人。余裕を持って会場全体を見回しながら、話に引き込む。緩急も上手いし、声も良い。内容はもちろんだ。しかも、その方は、今回私が話そうとする生き物の専門家だったりする。今回の講演では、話した人は次の講演の座長となるのだけど、座長というのは、もしも会場から質問が出なかった場合、間を持たせるために自分が質問したりすると聞く。もしも、その人から、「あまりよく知らないのですが…」なんて質問された日には、マジ泣くよ。ごめんなさい、って走って逃げる。
 
 12分で話す所を意図的にオーバーして15分でしゃべれば、質問時間が自動的に無くなって質問を受けなくてすむだろうか…?なんて卑怯な戦術も考えてみたけれど、順番は来てしまい、となれば準備した事を準備したように話すより他ない。そして、しゃべり始めれば、自信満々って感じでかますしかない!テンションを目一杯上げて、「私の話を聞きなさい!」ってやるしかないのだ。


 今回発表することは、たった1枚の地図に尽きる。けれど、その1枚をつくるために、必死に海岸を掘りまくったのは事実だし、いろんな人に資料をもらい、情報を教えてもらった。応援してもらった。たった一枚だけど、それでも「今は、これが精一杯」と言える。そして、発表も努力する。だから、それがどんな出来でも、それが今の自分の精一杯なら仕方ない。


 と、自分を誤魔化す巧妙なレトリックを使える程度には、したたかな大人なのである。



 そして、発表は時間がややオーバーして、最後の方は走ってしまったけれど、何とか無事終わった。これはもう少し練習する時間があれば、きっちり終われたな。それから、分類群の研究背景についての説明スライドは、他の発表を見るとどれもちゃんとあったところを見ると、確かに入れておくべきだった。いろいろ教えてもらっていたのに、純粋にそこに思い至らなかったのは反省点。
 けれど、ヤバイっと思って凍りついたその質問に、座長たる専門家が「それについては私から」と変わって答えて下さってとても有り難かった。大きくて男前なので怖そうに見えるだけで、親切な人のようだ。
 それから、会場の皆様も、門外漢の発表を暖かく聞いて下さった。ひょっとしたら、「生」暖かくだったのかもしれないけれど…。


 と言う事で、聞いて下さった方、ありがとう。色々教えて頂いた方、同定して頂いた方にもありがとう。
 共同研究者になって下さった方にも、ありがとう。一人なら、絶対できなかった。


 私も、結果はどうあれ、人前に出るという最も苦手な方向性のことを、一つ新しく実行することができた。
 何かをすることは、することだけでも何もしないよりずっと良い。しんどくても、楽な事だけをしているのでは、成長はできない、と思う。


 ま、しんどさには程があるけどね。