hyla’s blog

はてなふっかーつ!

久しぶりに掘る


 朝から曇り空。先日とは別のハマゴウのある浜辺でハチを探してみたのだけど、もはやハマゴウの季節は終了気味。見られるのは、シロスジフトハナバチや、ドロバチ系とアシナガバチ類だけ。何だか、がっくりしてしまったところに折悪しく雨。今年は本当に変な天気だ。

 撤収してしばし休憩し、雨が上がった所で、今度はスコップとバットを持って近くの海へ行った。夏になってからはずっとハチばかり見ていたけど、砂の中の生き物はどうなっているだろう。先日読んだ本のせいもあり、久々に砂を掘りたくなった。


 行ったのは、よく行く近くの浜辺。ここは、砂浜とは言うけど、ほとんどが細礫の礫浜。ここも台風でだいぶん波が奥まで来たようで、山近くに漂着物が打ち上げられていた。そして、海岸の波打ち際の砂は一度持って行かれてしまって波打ち際のラインが少し変わっているけれど、少しずつまた砂が打ち上げられてきている。そんな海岸の波打ち際に波が運んで盛り上がっている所を掘ってみる。それに、細かな漂着物の打ち上げられているドリフトラインなど。


 するとだ、なんですか、これは!!!!!!

 

 これはトレイのごくごく一部なわけで、異様なまでのハネカクシの数。これまでで一番たくさん入っている。これ全部採ると、どう考えても後の処理が…泣く。絶対泣く。どこまで採れば良いんだよ〜!
 それでも、採ったさ。泣きそうになりながら採ったよ。

 
 
 そして持ち帰ったもののうち、肉眼でも明らかに違いが見えた大きめのものは、こんなものだ。

 1枚目の頭の妙に大きなハネカクシは、ちょっとこけし人形っぽいので、とりあえずコケシハネカクシと呼んでやろう。このハネカクシには頭に単眼があったりして印象的だけど、この浜でしか私は見たことがない。割とレアなものかしら。
 それと、イソハネカクシ的な黒くてちょっと触角の長いハネカクシは、この浜で何度か見ているけれど、個体数はごく少ない。ただし、私が掘っているのは、表面からせいぜい50cmくらいまでなので、もっと深く掘れば、たくさんいるのかもしれない。
 
 


 

 けれど、実際後の処理に泣いたのだけど、こういう大きなものだけでなく、無数に見える小さな黒いものもやはり採っておかねばならなかったりする。素人の肉眼ではどれもほとんど同じ見えるけれど、きちんと実体顕微鏡でみれば、微妙にいろいろ違ったものが居るからだ。
 
 例えば、下の写真の1番上の2mmほどのハネカクシはたくさん採れるものだけど、それに混じって微妙にサイズやプロポーションの違うものが少し混ざって居る。これって、個体差ではないよね〜。

 

 それは、こちらの仲間でも同様。この頸の細い光沢のあるハネカクシ達のうち、一番の上の2mmあまりのものは、春からぼちぼち入っていたものだけど、今回は実はこれが一番たくさん採れた。そして、そのうんざりするほどたくさんあるものを整理したならば、これまた微妙にサイズが違うもの(下の2つ)がごくわずかだけど含まれている。これって、同種ではないような…。



 そして、今回何より驚いたのは、これが採れたこと。これって、ヒラズイソアリヅカムシだよね。

 波打ち際の湿った砂の中から落ちてきたものを見ている時、明らかにハネカクシではない丸っこいものが見えたから、もしや?と思ったらやはりこれ。ヒラズイソアリヅカが採れたのはこれで2カ所目だけど、ヒラズイソアリヅカって、こういう所にいる物なんだね。ただし、これは波打ち際のある一角でのみ採れて、他の所では見なかった。何か微妙な環境の違いがあるんだろう。

 

 と言う事で、真夏のこの礫浜には、かなりたくさんの間隙性生物がいることを確認。先日の台風では彼等の生息場所も激しい波を受けただろうのに、どうやって波をやり過ごしたのだろう。それに暑いこの時期、砂の中の浅い所に、これほどたくさんの生き物がいるとは思わなかった。
 でも、ここでたくさん居るって事は、他もやはりそうなんだろうか?ヒラズイソなんかは、この時期の他の海岸にもひょっとして普通に居たりするんだろうか?


 確認したいぞー!と思うのに、明日は雨とか…orz。