hyla’s blog

はてなふっかーつ!

何も知らない

今日は、片付け三昧で過ごす予定だった。ただ、日中の暑さが少し落ち着いた頃、ちょっと家の近くの海岸に、散歩に行ってみた。マルクやジョジョと毎日のように来た、子供の頃からよく知っている海岸だ。


 のんびり歩いて行くと海からの風は気持ち良くて、海岸には小さな子供を連れて海水浴に来ている人が居た。引き潮だから波はほとんどなくて、子供が泳いでも全く心配はない。
 子供の歓声を聞きながら、私は何となく河口に下りた。潮の引いた河口には、この時期たくさんのアオサやスジアオノリが見える。更によく見ていると、そんな海藻の上、あるいは海藻の下にも小さな黒いものが動いている。トビムシかな?と思った。これからの時期、海岸では黒い小さなトビムシはよく見るものだ。
 でも、何となく違う。動き方がトビムシの動きではない。これは、ひょっとしてむちゃくちゃ小さな、でもハネカクシ?!ってヤバイ、こんなもの見たことない。気づいてしまったら、採らなきゃいけないじゃないか!ああ、なんて馬鹿なんだろう。どうして、河口に下りてしまったんだろう。

 


 と言う事で、家まで帰り、道具を持って海岸へ降り立った。そして、水際の砂のひとすくいバットに入れ、少し置いて中をみて、絶望。採れすぎ…。小さな小さな黒いものが、あまりにも大量に動いている。そしてバットの中で交尾を始めたものもいて、お尻をくっつけ合わせた個体も何組も見た。とは言え、さすがにこれは全部採れない。とりあえず適当に採って、後はそのまま水辺にもどした。
 
 そのとき、採れたのがこんなもの。ちなみに、上に写っているのはトビムシです!サイズはどっちも1mm〜!もうマジ、小さすぎ。
 けれど、これって何だかちょっと変。上羽は割と大きなのに、その下に見える腹部がそれに対して随分短くて、太い。これまで採ったもので一番近いのは、色は違うけれど頭に点のあるハネカクシ?上羽の形は、割とあれとよく似ている。ただし、これは下羽もあるようで、吸虫管の中でしきりに飛び回っていた。



 そして、せっかく来たのだからと、そのまま海岸でも採ってみた。すると出るわ出るわ。ここでもたくさんのハネカクシが出てくる。
 例えばこんなもの。

 

 大きな方は、めくった石の下にいたハネカクシ。石の裏にはほとんど真っ白なものもいて、これらはこの時期成虫になるものなのだろうか。小さな物は、礫の間にいたもので、もうね1mmは嫌〜!


 それでもその1mmも含めて採ると、こんなものも採れていた。


 大きな方は、いつもよく見る頭に点のある薄っぺらいハネカクシだけど、小さなものも、よくよく見ると頭に点が2つある。それに頭部の下面の形なんかもよく似ているから、2つは同じグループかもしれない。ただし、サイズは随分違うから、どう考えても別種。特に小さな方は、複眼が私の実体顕微鏡では確認できなかったから、地下で活動することに特化したのかな?そして、この小さなものは、ほんの少ししか入っていなかったので、個体数が少ないのだろうと思うのだけど、これもレア?


 河口の砂浜の海藻の下からは、こんな物も見つけた。ずいぶん色が薄いけど、アトモンミズギワゴミムシかな。これも、多分ここの浜では初めてだな。


 
 この浜は、私にとっては大事な浜だけど、多分どうと言うことのないごく普通の瀬戸内の浜辺だ。
 

 
 そして、この浜は子供の頃から何度も遊んできたし、私はこの浜の事はどこもよく知っていると思っていた。けれど、こうやって調べれば、まだまだたくさんの私の全く知らない生き物が、実はひっそりと生きてる。




 すごいね。