クサイチゴに来る

　あんまり空が綺麗なので、思い立って山へ行った。平日だから、誰もいない。そして、山の木々はどんどん芽吹いて、１週間前とは、随分変わってきている。
　歩いていると、ブーンと羽音がして、至る所でクマバチが縄張り飛行をしている。地面では、クロヤマアリもクロオオアリも、クロナガアリも見た。ただし、まだクロナガアリの女王は見なかったから、来週くらいに女王は飛ぶだろう。

　そうやって見ていくと、クサイチゴの白い花に来ているハチがいた。そだ、もうハチの季節だ。となれば、見るしかあるまいよ。

　座り込んで見てみると、どうやらハナバチは、ニホンミチバチと、セイヨウミツバチ、それに真っ黒で１．５ｃｍくらいのハチと、１ｃｍちょうど位の小さな黒いハチが来ている。
　写真を撮ろうとしたけれど、彼等は素早くて、なかなか上手く撮れない。小さなものもハナバチだろうとは思うけれど、何と言うハチだろう。将来図鑑が出たときに、調べる為には、やっぱり可哀相だけど、採集するしかないかしら。

　
　
　そうやって見ていたら、小さいハナバチがクリーム色の花粉をたくさんつけて、地面に降り立った。山道の端の斜面の枯れ葉の下に潜っていく。あれ？と思って、そうっと枯れ葉をのけてみたら、小さな穴があった。多分、ここに巣を作って花粉を集めて産卵するのだろう。
　クサイチゴは至る所にある。だから、きっと周囲の崖には、たくさんハナバチの巣があるんだろう。

　
　出てくる所を見たかったけれど、時間切れで、名残惜しく山を下りた。

　クサイチゴの花は、盛りを過ぎていて、もうあとわずかだ。これは、やはりクサイチゴに来る虫を見なければなるまい。
　明日は、網を持って採りに来よう。頑張るぞー！