hyla’s blog

はてなふっかーつ!

竹取り

 朝から雨だったけれど、午後になると少し小降りになったので、車に乗って徳島との県境にある山へ出かけた。ハチの竹筒トラップを仕掛けるための、竹取りだ。山を持っている人に「メダケ分けてもらえませんか?」と頼んだところ、「どうぞ、どうぞ。なんぼでも、全部でも採っていいよ。」と快諾を頂いたのだ。


 ここの山も、昔からちょこちょこ来ているけれど、なかなかいい山だ。特にこの時期は、ヤマザクラだのヤシャブシだので、山の斜面の微妙な色合いは何とも言えない。谷筋に作られた池の水も、春になって緑が一気に濃くなっている。多分、プランクトンがわんさかいるのだろう。
 道に沿って露出した南向きの岩盤には、タワヤモリがいて、毎年岩の間に産卵している。いるかな?と思って覗いて見たけれど、まだ少し速いようで、姿は見えなかった。
  


 竹のある場所は、谷川の向こうの、田んぼの周囲だ。車を置いて、川にかかる木の橋をとことこと渡っていくと、結構広い田んぼが2枚ある。ここの田んぼは、谷からの水だけでイネが育つから、ここで採れる米は、平地のものと全然違って美味しいのだそうだ。
  


 奥の方には、周囲に小枝などをくくりつけた大きな檻があった。中には、糠が撒かれていてイノシシ用の罠だ。ここも他の場所と同じで、イノシシが増えて、困っているのだそうだ。田んぼの周りには、電柵をしているけれど、それでも入り込んでしまうのだとか。そこで、罠猟の資格を取って、罠を掛けていると聞いていた。
 そんな罠を眺めていると、人の気配がして、振り返るとちょうど田んぼの持ち主、罠を仕掛けた方だった。ご挨拶をしつつ、すかさずいろんな事を聞いてみた。
 イノシシは、そこでもかなり出ていて、既に5頭ほど採っているのだそうだ。ついでに、タヌキやハクビシンも捕れているとか。更に、田んぼの周りで水路にたくさんいたアカハライモリは、みんなアオサギが食べて居なくなってしまったのだそうだ。以前は、水路には常に4.50匹のアカハライモリがいて、この時期には卵塊もみられたのだけど…。時間と共に、環境はどんどん変わる。遷移はとどまることがない。


 

 そこでメダケを頂いて、ついでに更に奥のダムに行ってみた。
 

 ここも、いつ来ても綺麗な景色で、やはり池の水は緑が濃い。そんな景色を眺めながら、池の周囲をめぐる道を歩いていると、竹薮があった。何本かの竹は、道をふさがないように切られていて、何となくみていたら、ある枯れ竹の側面に小さな穴が空いていた。どう見ても、何かが出入りするための穴。と言う事は、穴の中にアリがいるんじゃないかな?と思って切ってみた。すると、中には大きな羽をつけた黒いアリが、竹筒の側面にびっしりとくっついていた。多分ミカドオオアリだろう。初めて見たアリだったし、もうちょっと細かく見てみたいと思って、そのまま連れて帰った。最近どこの山でも竹が増えすぎて困っているけど、ミカドオオアリも増えているのだろうか?


 小雨とはいえ、随分長く雨の中を歩いていたので、びっしょり濡れたけれど、満足。
 つか、花粉症持ちには、この時期は小雨こそ活動日〜!