hyla’s blog

はてなふっかーつ!

山へ行く

 時間があったので、午後山へ出かけていた。里ではソメイヨシノが八分咲きだけど、山の木々はまだ芽吹き始めたばかり。ただ、ヤマザクラだけが薄桃色の花をつけていた。私は、桜はソメイヨシノよりヤマザクラが好きだ。花の咲き具合、葉の展開の具合によって、様々な色合いのヤマザクラが山肌にぽっぽっとふくらんでくる様は、毎日みていても飽きない。今年は、まめに変化を見ていこう。

 
 空は青くて、たぶん気温は20℃くらいだろう。暖かさに、池の水面にはユスリカがたくさん舞っていたし、薄紫のムラサキシジミが飛んでいた。足下では、クロヤマアリが活動していたし、石をめくると、トビイロシワアリと薄茶色のサトアリヅカコオロギをたくさん見る。路傍には、タンポポ。ここのタンポポカンサイタンポポかな?それに、タチツボスミレや、キイチゴも花を咲かせていて、ビロードツリアブがじっと空中で静止飛行をしていた。ビロードツリアブは、今年の初見だ。つくづくと、春なんだなと実感する。
 
 

 アリが活動し始めたなら、アリジゴクも活動しているのかな?と思って、アリジゴクのたくさんいる池に入った。すると、池の大半を埋めた砂の中には、小さなすり鉢状の穴が、ぽつぽつと開いている。掘り返してみれば、小さなアリジゴクがいて、掌で元気に暴れてくれた。砂地に巣をつくる、クロコウスバカゲロウだと思う。昨年の台風の際の大水でだいぶん流されたけれど、やっぱりちゃんと生き残っている。
 冬の間、彼らはどんなところで、過ごしていたのだろう。砂の中の、どのくらいの深さに潜っていたのだろう。冬の間に様々な原因で死んでしまったものもいるだろうから、目覚めることのできた彼らは、これからしっかり食べて、6月になれば丸い繭をつくって羽化していって欲しい。
 
 
 そんな地面を見ていると、小さな黒いゴマのような生き物が、忙しげにたくさん砂の上を走っていた。大きさやシルエットから、たぶん先日海岸の砂の上で見たスジミズアトキリゴミムシだろう。
 ちょっと意地悪だけど、そんなゴミムシをアリジゴクの穴に落とし込んでみた。すると、アリジゴクはすぐに反応して砂を投げ上げ始めたけれど、ゴミムシはさっさと脱出していった。少なくとも、スジミズアトキリゴミムシは、あまりアリジゴクのエサにはなっていないようだ。でも、アリジゴクの巣のある辺りでは、アリはあまり見ない。なら、何を主に食べているのだろう。海岸の砂場ならば、たくさんいるトビムシとかワラジムシ類?山の砂場なら、何を食べているのだろう。地面を徘徊するものと言えば、ワラジムシなどの等脚類かな?と思うけれど、彼等は夜行性だ。アリジゴクは、夜でも活動するのだろうか?
 そんなどうでもいいような事を考えながら、一人砂場に屈み込んで、アリジゴクを眺めた。それだけのことだけど、楽しい。



 今年はこの山で、マダラウスバカゲロウやコマダラウスバカゲロウも見つけたいな。