hyla’s blog

はてなふっかーつ!

最後の日に


 今の勤務先での勤務は、今日が最後。明日からは、別の場所で働くことになる。なので、片付けの合間を縫って、式を歩いて、最後の名残を惜しんだ。
 
 中庭のエドヒガンは、もう随分咲いている。有名な薄墨桜の子供だというこの桜も、とても好きだった。
 桜の近くの芝生の中には、小さな穴を見た。ここではいつも5月くらいになると、たくさんの小さなハナバチが穴を掘っては潜っていて、ハチの集団営巣地になっている。じっと座り込んで、そんなハチを眺めるのが大好きで、毎年産卵の時期には時間をひねくり出してハチを眺めていた。黄色い花粉をたくさん持って入っていたら、コハナバチの仲間かな?と思うけれど、採るのが可哀相で、きちんと種類を調べてはいない。
 今年も、あのハチたちがもう活動し始めたのだろう。ここも来年には工事のために掘り起こされてしまうだろうから、その前にちゃんと調べたかったなあ。
 
 
 いろんな花も咲き始めていて、タンポポもちらほら。けれど、よくよく見てみれば、同じ敷地の中のタンポポでも、明らかな外来のタンポポもあるけれど、総苞外片の反り返りが微妙なものもあったりする。これも、時間があれば調べて見たかったかも…。
 


 それから、頭大の石がたくさん置かれている所で、石をひっくり返してみた。太陽で暖まった石の裏には、たくさんのニホントカゲがいて、1m四方で、4匹ほど見た。驚く程たくさんの数だ。それに、トビイロシワアリと薄茶色のアリヅカコオロギもいて、これはサトアリヅカコオロギかな?そして、アリがいればそれを狙うものもいる。鮮やかなアオオビハエトリも活動していて、石の上でゆらゆらと脚を動かしていた。
 
 

 別の石の裏では、こんな鮮やかなゴミムシも見た。ゴミムシにしては派手な色合いだから、図鑑をみたらすぐにわかった。これはミイデラゴミムシらしい。このミイデラゴミムシの幼虫は、何とケラの卵塊を食べるのだとか。そういえば、この辺はまだまだケラはたくさんいて、夜のコンビニに飛んで来る。
 けれど、都会ではケラの減少によって、ミイデラゴミムシも少なくなっているらしく、東京や長野ではレッドデータに指定しているようだ。

 

 ここでは、ほんの少し外を歩くだけで、いろんなものを見られる。それは、広い敷地の中に、クスノキアカマツケヤキにウバメガシなど、たくさんの木が植えられていているし、石のある場所も日陰もあって、多様な環境があるからだろう。
 
 ほとんど里山のようなこの場所で、私は本当にいろんなものを見た。いろんなものを集めた。
 そうやって、素直な若者と、たくさんの楽しい時間を過ごさせてもらった。


 私は、幸運だった。ありがとう。