ハエを見る
時間を見つけて、昨日浜で採って帰った生き物を見ていた。と言っても、ピンセットと吸虫管しか持って行かなかったし、この時期だから大したものは採っていない。というか、何とハエ類ばかり採った。
ハエが好きな訳ではない。けれど、一度きちんと確認しておくと、野外で見てもすぐにそれがわかるようになる。だから、ちょいと試しに採ってみたのだ。
この時期にもう出ていた、海岸性のハエ。腐りかかった海藻の中にいたのだけど、これって何と言う名前のものだろう?調べてみると、これはどうもハマベバエというものらしい。ハエと言っても、家の周りでよくみるものとは違って、どこなくシラミバエ的なスタイル。これは覚え易いね。
先ほどのハマベバエはよく見ていたけれど、こちらは小さいこともあって、これまで気づくことはなかった。ところが、今回こんな小さなハエが気になったのは、このハエの奇妙な動作に理由がある。
潮が引いて露出した岩の上で、このハエは不思議なダンスを踊っていた。先だけが黒くなった羽を交互に持ち上げながら、その場をじっと動かない。小さなハエだけれど、動きにつれて黒い点がちらちらするので、実に気になる。ひょっとしたら、婚姻行動?と思いつつ、とりあえず種類が知りたくて採って来た。
さて、これもハエだと思うけれど、これは何と言うハエか?羽の先の黒い点がよく目立つということは、「ツマグロ」なんて言葉が名前に入っていそうだ。それから海岸のハエだろうから「ハマ」とか「ウミ」とか「イソ」あたりもついていそう。
と当たりをつけてググってみたら、さくっとヒットした。これはツマグロイソハナバエというものらしい。なるほどね。特徴そのままの名前で覚え易い。
そして、正確な名前がわかると、得られる情報量は一気に増える。「ツマグロイソハナバエ」で検索すると、これは全国の海岸で普通に見られるハエらしい。そして、私が気になったあの動きもちゃんと記録している人がいて、こんな動画まであった。
私がみた動きもこれだ。何とも、楽しい婚姻行動だな〜。でも、雌へのアピールのために、雄の羽の先だけが黒くなっているのだとすれば、当然雄の羽の黒い部分が多い方がモテたりするんだろうか?ツバメなどの鳥だと、雄は尾羽が長い方がモテという観察があったはずだけど、このツマグロイソハナバエはどうなんだろう。
誰か実験してくれないかな〜。