冬の山遊び
またもや、山へ出かけていた。平地では、雪はあっという間に溶けてしまったけれど、山の日の当たらないところには、まだ雪が残っている。
そんな寒い時期だから、当然生き物らしいものは、ほとんど見えない。でも、越冬しているものも居るはずだし、逆に冬にだけ活動する酔狂なものもいるはず。見えないのは、それらを見つけられないのは、私がまだ見る目を持っていないからだ。それでも、丁寧に見ていると、生き物の痕跡は見えてくる。
例えば、枯れ葉の中では割と目立つヤママユガの繭。あるいは、木の幹を登った哺乳類の残した爪痕。大きさからすると、中型哺乳類だろうから、ハクビシンかタヌキぐらいか?薮の中には獣道が至る所にあって、獣道の側の木には、イノシシが歩きながら体をこすりつけた跡も見える。
それから、倒木の表面のコケには、胞子のうが出てきているものも何種かあった。こんな寒い時期に胞子のうをつくるとは、いったいいつ受精したのだろう。コケの有性生殖の時期も、種に選って決まっているのだろうか?
唯一見つけた生きた動物は、これ。シダの葉先が丸く綴られていたものだから、ついつい開いてみたら、中には小さなイモムシ。こんなに寒いのに、まだ生きているイモムシがいるなんて!
これは、メイガとかの小さな蛾の仲間か、それともハバチの類か?いずれにせよ、こんな時期にイモムシを見るとは思わなかった。
そうやって、ぶらぶらとほっつき歩いてみたけれど、やっぱりフユシャクは見つけられない。ここにもフユシャクは居るはずなのに、もう時期が遅いのか?やっぱり今年も、自分で見つける事はできないままかな…。