花に来るアリ
寒くなって、庭の椿が次々に咲き始めた。「昭和侘助」という、中くらいの大きさのピンクの椿だ。その椿を今年も正月に切って生けて、残りを縁側のバケツに入れていたのだけど、ふと見るとその椿の花に黒い小さなアリがたかっていた。
椿の花の蜜に来ているようで、花の中のアリは腹部が限界まで膨らんでいる。こんな寒い時期に活動するアリもいるんだな、と思って1匹とって種類を調べてみた。
色は黒くて、大きさは2mmほどだ。実体顕微鏡で見ながら、この本を使って調べてみた。
- 作者: 山根正気
- 出版社/メーカー: 南方新社
- 発売日: 2010/05/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は、細部まで鮮明な写真で図解してくれているし、検索表もあるので、使いやすい。けれど、2mmのアリの微細構造は、40倍程度の実体顕微鏡では良くわからないところもあって、その辺はかなり推測で、検索表をたどらざるを得ない。60倍が見える実体顕微鏡が欲しいなあ〜。
でも今回の場合は、何とかたどり着いた「ルリアリ」というので、正解なような気がする。「ルリアリ」という名前は、腹部が瑠璃色の光沢を帯びているかららしいけれど、この個体はあんまり瑠璃色感はない。とは言え、その他の特徴や、冬場でも温度が高くなれば活動するという生態からも、ルリアリであっているだろう。
と言う事は、我が家には最低でも、ルリアリとクロヤマアリ、オオズアリとトビイロシワアリ、クロナガアリ、アメイロアリ、オオハリアリ、トビイロケアリ、テラニシシリアゲアリがいると思う。それから、夏の暑い最中、行列をつくって蛹や幼虫を運ぶ黒いアリも見たから、あれは多分サムライアリだろう。
この他に、キイロシリアゲアリや、アミメアリ、インドオオズアリやクロオオアリ、ムネアカオオアリはわかるけど、全部入れても今のところ識別できるのは普通種ばかりで20種もない。
この辺でも、いろんなやり方できちんと採集すれば、多分もっといろんな種類がいるだろう。香川県で約100種くらい確認されているというし、50種くらいはいるんじゃないだろうか。
が、アリも難しい〜。これほど良い図鑑があっても、難しいものは難しい。
でも、既に今年は地域のアリを調べると言ってしまったので、やるしかないのだ。