hyla’s blog

はてなふっかーつ!

再びカゴタケ


 先日のカゴタケについて調べてみると、驚いたことに三重や京都、松山市といったところで、レッドデータ種に指定されていた。もともとそれほど多くはないもののようだけど、それ以上にきちんとしたキノコの知識を持つ人がそれほどいなくて、観察されていないだけじゃないのかな?
 でもまあ、香川県でもそれほどたくさんあるわけではないだろうし、ひょっとしたら香川におけるきちんとした記録はされていないかもしれない。なら、一応記録しておいても良いだろう。


 となると、先日の写真の写りは今ひとつだし、もっと綺麗な写真をとりたい。


 今年出たカゴタケは3つで、一つは先日成熟していたもの。もう一つは、ほぼ残骸となってしまったものがあった。そして、残り1つはまだ幼菌だった。
 そこで、金曜日に開いていないか確認しに行った。まだ出てなかったので、土曜日の夕方にも見に行った。そして今日も、仕事を終えて見に来たのだけど、まだ開いていない。もう、待てないよ〜。これ以上遅くなると、平日に出てしまうから、観察できないじゃないか!


 と言う事で、幼菌の袋を破ってみることにした。
 


 破る前に、表面を指で軽く押してみると、中に硬いものがあるのがわかる。その形はスッポンタケなどとは違って、でこぼこしている。それを確認した上で、ピンセットで少しずつ切れ目を入れた。すると、確かに白い枝状のカゴタケが出てきた。ただし、内部で既にねばねばの液(グレバ)が出てきて、真っ白ではなく汚れている。
 

 

 更にそれをそっとピンセットで開くと、あっという間にむくむくと大きく開き始め、袋から飛び出さんばかりになかった。おもしろ〜い。まるでびっくり箱だね。更にそうやって出てきたカゴタケに近づいて匂いを嗅ぐと、少し人工的な感のある甘いフルーツの香り。一番近いのは、イチゴの香りか?カゴタケはこの甘い香りで虫を呼び寄せ、胞子を分散させるのだそうだ。
 


 匂いを嗅ぎ、写真をいろんな方向からとり、十分カゴタケを堪能した後、そっとその場にカゴタケをおいて帰り道についた。この香りに来る生き物は何かみたい気はあるのだけど、夕暮れで薄暗くなっていたし、さすがに無理。
 歩いて行くと、カゴタケから少し離れた所には同じ科のスッポンタケがちょうど生えていた。こちらも同じように深緑のグレバがぬらぬらとしているけれど、匂いはもうね、臭いよ〜!周囲には匂いに引かれたコバエがたくさん集まっていて、小さなアリも集まっていた。同じような仲間なのに、随分匂いの違うこと…。けれど、スッポンタケは割とどこでもみるのに、カゴタケはあまり見ないのだから、スッポンタケの臭い匂いの方が、戦略としては勝っていると言う事だろう。
 



 下りて来たところでは、クロナガアリが一生懸命種子を集めていた。ゆっくりと、けれど一生懸命種子を運ぶクロナガアリはなかなかカワイイ。その様子は何だかとても健気に見えて、ついついその辺のエノコログサなんかの種を採って、巣穴の近くにばらまいてやると、巣穴からはたくさんワーカーが出てきて、えっさほいさと種子を持ち帰っていた。
 


 
 やっぱり、外にいる方が楽しいね。