hyla’s blog

はてなふっかーつ!

今度はヒヨドリ

 10時頃、外へ出かけていた同僚が帰って来るなり
 「玄関で鳥が死んでますよ。」
 と教えてくれた。


 すぐさま教えられた場所に向かったら、落ちていたのはこれだった。

 
 大変珍しい事に、ヒヨドリ。もちろんヒヨドリ自体は珍しい鳥でも何でもない。年がら年中見られる留鳥だ。けれど、鳥には窓ガラスに衝突しやすい鳥と、衝突しにくい鳥がいる。例えば、ツグミ類やカワラヒワは抜群に衝突しやすい。けれど、スズメやヒヨドリは、ごく普通にどこでも居る鳥だけれど、衝突はあまりしないのだ。多分それは飛び方や、普段から住んでいる場所に対する学習とか有るんだろう。とにかくヒヨドリが死んだのは、ここ10年で多分3羽目くらいでしかない。毎年シロハラツグミは10羽近くに死ぬのだけど。

 
 ヒヨドリを拾い上げると、まだほんのり暖かくて死んですぐだったのだろう。近くにはクスノキの大木が並んでいて、そこでちょうど実が黒くなり始めている。それから、そろそろサザンカの花も咲き始めた。どちらに来ていたのか、いずれにせよ窓ガラスへの衝突は間違いない。



 有り難くヒヨドリをもらって、早速に計測・記録して、ついでに実体顕微鏡で眺めてみた。まだ暖かな鳥だから、いろいろくっついているはずだ。
 すると、すぐに頭にあたりでこんなものを発見。これは多分、ハジラミの卵。てことは、探せば絶対にハジラミがいるはずだ。

それから、これ。ウモウダニ。



 先日のメジロもウモウダニが多かったけれど、これもウモウダニが結構くっついていた。あまり地面は歩かない鳥だから、さすがにマダニの類は見なかったけれど、鮮度の良い鳥さんではいろんなものを見る。
 メジロもそうだけど、ヒヨドリも寒くなると北から渡ってくる個体群もいる。このヒヨドリはずっとここにいたものか、それとも渡ってきたものか。渡ってきたとすれば、鳥と一緒にウモウダニも渡ってきているってことだ。じゃあウモウダニって、地理変異とか少ないんだろうか。ちょっと不思議。


 そうやってみているうちに、今度はアリが1匹出てきた。これはヒヨドリにくっついていたものではなくて、死体に集まったものだろう。ついでだから、見ながら何か考えて見た。

 アリは最近は図鑑がすごく充実していて、非常に有り難い。けれどそうは言っても、実際に同定しようとすれば、素人は四苦八苦するものだ。以前アリを見始めた頃にも、オオズアリを同定しようとして、アシナガアリにたどり着いてしまった事がある。あのときは、やっとわかった、と思って解説を見た瞬間に愕然としたね。何せ、大きさが全く違うんだから。特に2mmくらいの小さなアリは、40倍の実体顕微鏡でも細部はよくわからない。

 
 
 今回のこれも…多分多分…アメイロアリ?としてみた。自信は全くないけど…。



 昆虫は、難しい。それでもこうやって四苦八苦していれば、ほんの少しずつでも識別できるものは増えていく。その時の、世界が開けていく感覚がとても好き。




 
 てなことをやっていたので、たった1羽のヒヨドリの処理に費やしてしまった時間が何と1時間。
 ああ、時間が…。