hyla’s blog

はてなふっかーつ!

雨上がり

 やられた。

 朝起きたら、西の方には大雨警報が出ていたから、こっちもくるかな?と思っていたら10時になって警報。ということで、そこから開店休業と相成った。どうせ出すなら、始めから警報にせんかい!
 だけど、ちょっと嬉しい。雑用はいつでも山ほど溜めているのだ。ただ、ちょうど忙しさがピークになる週末を控えた今日、それですか?とは言いたい。明日からが、どんな事になるのか怖すぎる…。



 とは言え、とりあえずつかの間の休みは有意義に利用せねば…。
 
 で、定時帰ってみた。
 定時ですよ。定時。外に出ると、うっひゃー。外が明るい。いいな、定時って!



 そして、家に帰るなり荷物だけ置いて、またてくてく歩き始めた。海へ行くのだ。
 台風では無かったけれど、日曜日からずっと雨が続いた。特に昨日から今日にかけての雨はすごかったから、川の水量が一気に増えて、川幅一杯に泥色の水が流れている。こういうときには、普段見られない色々なものが海で見られる。せっかく定時帰りできるってのに、これを見逃す手はないって!


 濁った水の流れる川にそって海まで行くと、海も泥の色。引き潮のはずなのに、大量の水が流れ込んで、かなり沖合で大きな波がたっている。川から流れ込んだこの泥色の水の中には、きっと大量の栄養塩類がはいっていることだろう。これでプランクトンや海藻の生育も良くなるし、そしたら牡蠣の生育も良くなるに違いない。
 うっしっしっし。ならこれで、今年の冬も、牡蠣小屋でたんまり牡蠣を食べられるかな?

 

 そんな海をテトラポッドの上からみたのだけど、よく見るとテトラポッドの上には小さな昆虫が右往左往している。ここでは普段は見ないバッタ類やカメムシ、ハムシもたくさんいるし、アオバアリガタハネカクシも大量。それにトビイロシワアリや、アミメアリもうろうろしている。これは多分、川から大量の水と共に海に流された生き物のうち、運良く水面に浮かんできたものが必死の思いで登ってきたものだろう。捕まえてみようかともおもったけれど、手ぶらできてしまったので、小さな昆虫は捕まえられないし、それ以前に入れる容器がない。なので、観察するだけにした。
 
 
 
 それから、海岸へ下りると、いきなり目についたのが、大量のウメボシ。
 
 
 誰かがウメボシを大量に海に捨てた…訳はない。見事なまでにウメボシそっくりだけど、これは何かの生き物、もしくは生き物一部だ。海岸の一部に、層状に打ち上げられたウメボシを集めたら、キロの単位ではなく、トンの単位になりそうなくらい、おそろしくたくさんのウメボシが打ち上げられている。今回の雨では風はそれほどなかったので、波も無茶苦茶大きく立ったわけではないと思う。なのにこれほど大量に上がっていると言う事は、浸透圧の変化に弱い生き物なのか?
 これについては、帰ってきてから調べて見た。検索ワードはもちろん「ウメボシ」。これほどまでにウメボシちっくな生き物に、日本人がウメボシの名を冠さないことはないはず。ウメボシがついていなくても、どう考えてもこれを見た人は梅干しを連想したはずだから、同じページで梅干しについて言及しているであろう。
 そして、検索のしたなら何と、「ウメボシイソギンチャク」というものがヒットした。ほんとにいたよ!「ウメボシ」が!まじですか?何となくホヤかと思ってたんだけど、これはウメボシイソギンチャク?ほんとかな?
 ちなみにウメボシイソギンチャクというものは、飼育するのも簡単なのだそうだ。これがウメボシイソギンチャクとしたら、大量に打ち上がっていたから、1個か2個、生きているかもしれないものを拾ったらよかったかな〜?

 
 それから、波打ち際のゴミの中には、こんなものも見た。ムラサキウニに、イトマキヒトデに死んだボラ。



 
 それから、種名はわからないけど、タコ。


 これらのものは、ボラなど死んでいたものもいるけど、生きていたものもいる。特にタコは持って帰って食べようか迷ったけれど、やっぱり万が一の生存に賭けて、海に放り込んだ。


 
 そうやって、あれもこれも引っかき回し、帰る間際に見つけたのがこれ。

 何かの脊椎動物の死体の一部。臭いもあって、骨の部分はまだ新しい。随分長い間ひっくり返しながら見て見たけれど、一体これは何の骨だろう。表皮も、毛が生えていたのか、鱗だったのか、羽毛だったのかさっぱりわからない。表皮の分解しつつあるところには、小さな骨のような構造がたくさんあって、更にワケワカラン。
 私も普通の人に比べれば、脊椎動物の骨格については知っているつもりだったけど、まだまだということね。つか、あまりにもパーツが少なすぎ。何となく普通の哺乳類ではないような気はするんだけど…。





 そうやって、薄暗くなるまで遊んで帰ったら、1時間以上たっていた。



 帰ってすぐに、ずっと拳の中に入れて持ち帰ったこれを確認。


 堤防にへばりついていたものの1つ。採らなかったとか言いつつ、これだけを頑張って採って帰ったのは、何となく黒い部分が青味を帯びて見えたから。ひょっとしたら、クロキオビでなくて、ルリキオビジョウカイモドキだったりして…?
 と思ってわくわくしながら持って帰ったけれど、あいにくとメスだったので同定できない。青味を帯びて見えたのは、台風後の独特の光かげんのせいだったのかな〜。


 
 
 と、今日は結局楽しい時間をすごせた。

 
 こういう探索は宝探しのようで、ものすごく楽しい。明日は仕事だから、もう無理。でも、しばらくすると打ち上げられたものに、新たに集まってくる生き物もいる。去年も、波打ち際の大量の台風漂着物から嫌と言うほど河口やヨシ原の生き物を採集したっけ。 
 今年は、何が見られるだろう。



 って、今年も採るならその前に、去年のものを何とかマウントしようよ、自分…。