hyla’s blog

はてなふっかーつ!

更に新しい浜辺

 お昼ご飯を食べて一息ついて、身支度をして出かけた。雨が降りそうなので、迷っていたけれど、一向に降り出さない。なら、出かけてしまえ!


 と言う事で、この所通っている山の下にある海岸の、未だに行けてない所に挑んでみた。

 山の北側にはいくつか海岸があるけれど、最初に開拓した海岸はスナメリが落ちていて、とても良い海岸だった。二カ所目の海岸は、良さそうなのに、何もいなかった。けれど、もう一カ所。2つの海岸の間にも別の海岸があって、それなりの面積がある。グーグルアースで見ると、そこへも谷にある田んぼの先から下りられそうなので、実際に行ってみた。


 近くの展望台で車を止めて、少し歩いて田んぼへ下りる道へ入った。そのすぐ直後、道の側のコンクリの表面に黒いものが歩いていた。

 おっ、ゴホントゲザトウムシだね。こうやって歩いていて、浜辺にも下りて来てたんだろう。この山には、わりとたくさんいるのかもしれない。


 そして、田んぼの間を下りていく。水田と、パセリをつくっているようで、水田の先には小さなため池もあった。ここの水をつかって田んぼをしているんだろう。ていうか、こんな所にもため池があるとは、さすが香川県

   



 そして、ため池の堤防の先まで行ってみれば、こんな事になっていた。
 道はない。ひょっとしたら昔はあったのかもしれないけれど、今は崖。でも、どうやら崖崩れを防ぐために工事をしたようで、手頃な大きさの石が積まれているし、傾斜もそれほど急ではない。これなら、普通程度の運動神経なら、下りられそうだ。荷物をバックに入れ、両手を空けて、注意しながらそろそろと下りていった。

 


 
 そして、浜に出た。


 当然だけど、全く誰もいない。浜辺には、人の来ている痕跡はまったくなくて、タヌキか何かの哺乳類の足跡と、鳥の足跡だけがある。海藻はそれほど打ち上げられていないけれど、崖に近い辺りには、海藻や、その上に生えている木から落ちてきた枯れ葉、流木が溜まり、それなりに良い感じ。これなら、何もいないという事はなさそうだ。

 
 ざっと見て、いろんなものを探しながら歩いてみた。

 
 すると、すぐに見つけたのがこれ。ヒトハリザトウムシ(幼体)。

  

 もうね、流木の側にも、崖にも、ゴミの上にもハマボッスの上にも、至る所にいる。先日の浜辺より少なくともこれに関しては、明らかに多い。もうね、うじゃうじゃいて、ちっとも貴重な気がしないほどたくさんのヒトハリザトウムシが活動していて、小さな虫を捕まえているものも何匹か見た。天気が悪くて湿度もあったから、活動しやすい状態だったのかもしれない。
 それを見ながら、ヒトハリザトウムシは今は準絶滅危惧種だけど、きっとかつてはどこでもいて、普通にこんな光景が見られていたんだろうと思った。海水の水気と、崖にしみ出てくる谷の水気を頼りに、海岸のたくさんの小さな生き物を餌にして、ひっそりと今もこの浜では生きている。


 それから砂の上には、こんな小さな穴が無数に空いていた。

 この一つ一つが、ハマダンゴムシの穴。天気のせいか、穴から出てきて餌を探したり食べたりしているものも多かった。けれど、私が歩くと驚いて丸くなる。すると、浜辺には緩やかな傾斜があるものだから、当然浜辺を転がり初めてしまう。、行く先々の至る所で、コロコロと小さなハマダンゴムシが丸くなっては転げ落ちていくのは、とても楽しい光景だった。

 そんな状態だから、ちょっと流木や海藻をめくると、たくさんのハマダンゴムシを見る。例えば、この写真の中だけでも、6匹写っている。人の来ない、灯りのない浜辺は、すごい。もし、夜までこの浜辺にいれば、どんな光景が見られるのか、ちょっと試してみたい気もしたけれど、さすがに一人でそれをするのは怖くて出来ない。けれど、きっと夜に活動する海岸の生き物の、見事な光景が見られるだろう。誰かつきあってくれる人がいれば良いのに…。


 それから、浜辺を歩くアリもたくさん見た。中には、波打ち際から行列を作っているものもあったけれど、これはアミメアリかな?

 
 
 宮古島の方では、海岸に外来のツヤオオズアリが入り込んで、多くの海岸で優占種となってしまっているという話を聞いた。だから、自然の海岸にいるアリの種類も大事な情報かも知れないとは思う。でも、アリも本当に数種しか識別できないので、採っても名前がわからないものが多いだろう。同定が丸投げできるなら、採るだけとっても良いのだけど、アリの先生も超お忙しいだろうな…。



 で、そんなものを見たり、適当に海藻の裏のハネカクシなんかを採りながら歩いていると、崖の間にコンクリの部分があって、脇には階段があるじゃないですか。崖を下らなくても、良かったんだ!
 一体どこへ行くのか、上には何があるのか知りたくて登っていけば、草だらけの薮。薮の中には、こんなトンボもいて、これはため池で大きくなったものだろうか。そして、よく見ると薮の中にごくわずかに道が残っていて、歩いて行けば別の谷の田んぼの側の薮にでた。次はここから下りよう。
  
 

 と言う事で、純天然海岸ではなかったけれど、それでもここも相当良い海岸である事は間違いなさそう。きっと今日採ったものも、それなりに良いものが入っているだろう。



 

 が、ちょっとつらかったのが、海の上からの漁師さんの不審の眼。
 一体何だと思われていただろう?


 悪い事はしていないのですが、地域の生き物を愛するが故の行動なのですが、でもやっぱり怪しい人かな…。
 悲しい。