hyla’s blog

はてなふっかーつ!

整理してみた


 昨日採ってきたものを、処理した。

 実は昨日、新しい浜を開拓したのは良いけれどいろんなものがちっともいなくて、ついついスナメリを見つけた浜に再び行ってきてみたのだ。何故にあのあの浜にはいなかったのか、何がちがうのか、現場で見比べて見たくなったのだ。

 スナメリを見つけた浜辺はこれ。


 2つの浜辺は、同じ山の500mくらい離れた場所にある。当然岩場の雰囲気も、植生も一緒だし、海だって同じだ。多分同じくらいの時代に防波堤がつくられているのも同じ。けれど、こうやって見てみると、いろんなものがいた浜辺は幅がだいぶん広いし、長さも倍以上ある。それから、打ち上げられた海藻類も、こちらが多い。その辺が色々な生物に対して住みやすい環境となっているのかもしれないな、と思って見た。


 で、確認した後それだけで帰るのは、どう考えてもちょっともったいない。


 と言う事で、またいろいろ採ったわけです。


 と言う事で、まずはこれ。


 ヒョウタンゴミムシ。やっぱり、いると思ったんだ。この所の暑さと乾燥で干からびた海藻の下に潜っておりました。


 それから、流木の裏からはこんなもの達。
 

 良く種類はわからないけれど、ゾウムシ。それから、ハネカクシはFITでも採れていたものと同じような気がする。タチゲクビボソハネカクシ(と思っている)ものかな。綺麗な金色と表面の黒いまばらな毛が良く目立つ。これらはFITでも採れてたぐらいで、本来海岸性というのではなく、朽ち木にくる生き物なのだろう。

 それに対して、こちらは多分海岸性のハネカクシ類。

 もちろんこれ以外にもいるけれど、先日は吸虫管を忘れていたので、小さなものは数匹しか採っていなかった。なので、小さなものだけを追加で採ってみたのだ。
 が、実際整理してみて、採るんじゃなかったと深く後悔。だって、全て2mm大。これを実体顕微鏡で見ながら整えていくのはかなり面倒。特に、これらは皆死ぬと体がエビぞる傾向にあって、それを真っ直ぐ伸ばしつつ、足を出して…、とやっていると壊してしまいそうになる。ほんとに、採るんじゃなかった。

 けれど、それでもこうやって整えてみれば、ちょっとずつ違うのが混じっているようにも見える。薄い茶色と黒いものがいるし、腹部の幅や胸部の形も微妙に違うように見える。まあ、色合いは当てにならないけれど、それを置いといても、絶対1種類ではない…はず。と言う事で、とりあえず頑張って形を私のできる範囲で整えた。


 そして次はこれ。カニムシの一種だ。

 が、今回はもっと大きなものも採集。それがこれ。

 イソカニムシって、こんなに大きくなるんだ〜。ちょっとびっくり。ハサミまで入れると1cm近い大きさで、カニムシのイメージを覆す大きさが、ちょっと楽しい。


 そして、ついでにザトウムシも採集。この海岸には、それなりにいるらしく、ある程度の大きさの流木をひっくり返すと、大抵数匹隠れている。で、1匹採って来たのだけど、こんな感じだった。

 多分幼体だからだろうけれど、ヒトハリザトウムシの特徴である、突起が見えない。少し乾燥してしまったためか、表面の模様もよくわからない。でも、海岸性であることは間違いないし、もう少し待って成体になった頃にまた採集して確認してみよう。


 そして、ついでに同じく浜辺を歩いていた別のザトウムシも捕まえた。崖のすぐ側で、結構大きめの黒いザトウムシを見つけ、あまり見ない雰囲気だったので採ってみたのだ。
 見てみると、こんな感じ。


 黒い体に横縞があって、何より目の後ろに突起が縦に並んでいる。調べて見ると、どうやらゴホントゲザトウムシのもよう。でも、このゴホントゲくんは、人家の近くの雑木林や竹林にいるというけど、私は海岸の砂の上で採ったんだよね。他にも数匹いて普通に活動しているようだったけど、崖の上の森から下りて来てたんだろうか?


 といういことで、ようやく整理を終えると2時間以上かかっていた。
 採るのは良いけど、整理は大変。
 更にマウントとラベルはもっと大変。
 同定はもっともっと大変。


 
 なら採らなきゃいいのに。わかっているのに…。