hyla’s blog

はてなふっかーつ!

突然

 さっき、ジョジョちゃんが死んだ。


 ジョジョちゃんは、この所体調は良くなくて、正月すぎた頃から、時々発作のようなものを起こすようになった。もう死んだマルクも、年をとってきたときに同じように発作を起こして、病院で「年のせい」と言われたので、ジョジョちゃんも同じなのかなと思っていた。


 庭に出ようとして、あるいは起き上がり歩き始めては、突然ぱたりと倒れて、体が一瞬硬直したようになる。ちょっとしたらすぐ元に戻るのだけど、その時には決まってウンチやおしっこを漏らすので、片付けは大変で、何枚かの布団を処分せざるを得なかった。それでも、春になるにつれそんな事も減ってきていたし、食欲は相変わらずだったし、甘えんぼも相変わらずだった。


 ところが、昨日から今朝にかけて、また何度も痙攣を繰り返した。そして、夕方、また痙攣をして、ついに後ろ足が立たなくなった。それなのに、粗相の後片付けをして雑巾を干していると、気がつくとジョジョちゃんが物干し台にでる部屋の所に来ている。ふらつきながら、出てきたようだ。ジョジョちゃんは、人がいるところについてくる癖があって、時にはトイレまでやってきていた。ほとんど立てなくて、でも側にいようと来たんだろう。
 抱きかかえて、居間に連れて行って、そっと寝かせた。動物病院は、日曜はやっていない。どうしよう…、と思っていると、ジョジョちゃんはゼイゼイと音をたて、激しい呼吸を始めた。何をしてやればよいのかわからず、ただ側に寄り添って体に手をあてて、「大丈夫大丈夫、すぐに落ち着くよ。」と声をかけ続けた。
 

 そして、また激しく体が突っ張って、力が抜けたとき、心臓が動いていなかった。まだ暖かなのに、抱き上げるとだらりとした体は重かった。いつものように、耳を引っ張って、前足をつかんで、でもジョジョちゃんは動かない。さっきまで生きていたのに。今朝は、私の指まで食べる勢いで犬用チーズを食べてたのに。



 

 きっと、心臓だったんだろう。




 ジョジョちゃんは、里親として引き取った犬で、飼っていたお婆さんが死んでしまって保護団体が引き取った犬だ。その時点で多分5歳以上、という事で、小型犬ではないし、雑種だし、引き取り手はなかなかなかった。でも、「大人なので、あまり懐かないかも」なんて言われたのに、引き取ったその晩には膝の上にのってくる犬で、それはそれは甘えたさんだった。引き取った時には体重5.8kgのほっそりした犬だったのに、気がつけば11kgを超えてしまい、毛はふわふわのむくむくになっていた。そして、ストーブの前でまったりと寝っ転がって、美味しいものをもらうのが大好きだった。夜になると、布団の中にまで入り込んできては、私の枕をとっていくのだった。



 
 そんな事を思い出しながら、汚れた口元をふいてやって、そっと目を閉じさせた。それから、庭へ出て、遅い椿の薄桃色の花を腕一杯摘んで、ジョジョちゃんの周りに花を重ねた。こんなに綺麗な、一年で一番美しい季節に、なんで死ぬんだか。




 調べて見ると、ジョジョちゃんが我が家にやってきたのは、2003年の夏だった。と言う事は、15歳以上であることは間違いないだろう。白内障も出ていたし、りっぱな老犬だった。
 もっと注意してやればよかったのに、ごめんよ。でも、今日が休みで、最期の時に一緒にいてやれて、それだけはよかったかもしれない。



 一緒に暮らした10年、おかげで楽しかったよ。
 ジョジョちゃん、大好きだよ。