hyla’s blog

はてなふっかーつ!

ため池にて


 ちょっと思い立って、近くのため池に出かけてみた。以前にカモの調査をしたことのある池で、行ってみれば今年もやっぱり来ている。

 まず目についたのは、池の中央に集まっているこれ。

 10羽程度が、池のほぼ中央でくるくると回転しながらクチバシを水中に入れている。覗いてみるとこんな感じ。

 マガモに似た色だけど、もっと派手な色合いはハシビロガモハシビロガモは、水中のプランクトンを幅の広いクチバシで漉し採って食べるので、こういう行動をよくする。私が近づいたら、それまでぐるぐる回転していたカモたちは、すーっと池の向こうの方へ移動していったのだけど、しばらく見ていると、少しずつ戻ってきてまたぐるぐるを始めた。警戒をしていても、空腹には勝てないんだろう。

 
 その他には、池の縁にコガモが休憩していたし、奥の方にはオカヨシガモホシハジロもいたし、オオバンも見えた。



 だけど、以前にカモを調査した時に比べると、少し少ない感じがする。実際に今年この池に来た数が少ないのかもしれないし、2月だから既に池の餌を食べ尽くし、移動したのかもしれない。実際はどうなのかは、こんな風に気まぐれにぼーっと見たのではわからない。


 

 時間があるときに、気まぐれに生き物を採集したり、観察するのは、楽ちんだし楽しい。けれど、実際に生き物の事を知りたいと思えば、何かテーマを立てて計画に沿って採集や観察を行う方がずっとよくわかる。いや、そうしなければわからない。
 漠然とでも予想をたて、計画的にデータをとれば、どんな結果であれ得られたデータからは様々な事が考えられる。特に自分があまり知らない生き物を相手にするときほど、そうやって計画立てて観察する方が良い。そうすれば、一気にそのものの性質が見えてくる。


 ちょっと眺めて、考えて、いろんな文献を当たって、何を測るか、どう測るか、ある程度方針を決める。ふっと面白いデータの出そうな計画を思いついた瞬間は、「これって、すごくない?これは大事だよね。いろんな人が興味もってくれるよね…。」とか思ってみたりする。わくわくする。やった結果を妄想する瞬間は、ものすごく楽しい。


 が、実際にそれを初めてみれば、そりゃあもう必ず後悔する。そんな事を考えた自分が、心底恨めしくなる。データとして採るなら欠測値は許されないし、どれほど忙しくても暑くても寒くても、何を置いてもデータはとらなければいけない。そして、そのデータをまとめる作業も結構大変。数えてはいろんなグラフをあれこれ作り、何とか楽しい話にならないか、考えて見る。この作業だけでも、途中で投げ出したくなることは多い。自分の見通しの甘さが心底嫌になる。それでも、(ほとんど場合、当初の予定からはかなり異なったものになるのだけど)試行錯誤の末に何とかまとまって、きちんと結論を出すことができれば、得るものは多い。




 
 さて、寒い季節が終われば、また生き物の季節になる。
 今年は、何を攻めよう。何をしよう。何ができるだろうか。何ならできるだろうか。


 
 まあ、何を思いついても、何でこんな事を始めたのか…、と後悔はすることは確実。けれど、何もしなければ、もっと後悔するだろう。




 つか、その前に、春が来る前に、マウントを完了せねば…。