hyla’s blog

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海街ダイアリー5群青


 週末に本屋に行ったら、これがあったので買ってきた。

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)

海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)


 新刊だから、平積みされていたんだけれど、それでも残りわずかとなっていた。買っている人はたくさんいるんだろう。実際、これはさらさらと読むだけでなく、手元に置いて、何度も読んで味わいたくなる作品なんだな。

 
 5巻に収められた作品はどれも良いけれど、今回は特に「秘密」「群青」と続く海猫食堂の二宮幸子さんをめぐる話が胸に残る。結婚せずに多分両親を介護し見送り、1人になった幸子さんは、今度は自分がガンになってしまう。臨終になっても顔も見に来ないような弟しかいないけれど、代わりに幸子さんには、家族のように心配りをしてくれるたくさんの人がいて、その人々の中で死んで行くことができる。それは、孤独死する人も多い現代社会にあって、一つの理想的な死の迎え方だと思う。

 こうした死を迎えることができたのも、幸子さんが周囲の人に細やかに気を配り、関係を築いていたからだろう。偏屈じじいとしか見えないカフェ山猫亭の福田さんも、いつもおちゃらけているマサも、その実幸子さんをしっかりと支えている。みんな、本当に真っ当に生きている。そして死んで行く。けれど、何かは続いてく。


 こうやって生きていけたら、本当に良いなと思う。こんな風に生きたいと思う。


 そして、人と人の関わりの中で、すずも、幸も佳乃もみんな、悩み考え、何かをつかんで成長していく。そして、折々にはっとするほど良い顔をする。読んでいると、まるで実在する人物のようにその成長を眩しく思う。



 だから私も、毎日の生活の中で、怒って、泣いて、へたれて、けれど生きてさえいれば、その中で確かに成長し続けるのだと信じたくなる。楽しいことなんて何にもないと思えるような、仕事に追われる日々の中でも、きっと何かは成長しているのだと。


 まあその、私の場合、その歩みはカタツムリより遅いかもしれないのですけれど…

 



 ちなみに、今月号のプチフラワーは、海街ダイアリーのクリアファイルがおまけについている。私もかなり欲しかったけれど、何とか買わずに堪えた。でも、あのおまけは大人買いが増えるんじゃないかな…。