秋が深まる

　夕方、山へ行ってＦＩＴの虫を回収してきた。秋分も過ぎたし、暗くなるのが早くなっている。大急ぎで虫を回収しないと、あっという間に暗くなる。

　最近は、秋も本番で虫の数もめっきり減ってしまったけれど、それでも何かしら山に入ると目につくものがある。先日のハンミョウもまだ活動をしていたし、帰り道ではこんなものも見つけた。

　

　一瞬何を見ているのかわからなかったけれど、よくよく見て見ればどうやらクワガタの雌。多分ノコギリクワガタの雌だろう。けれど、足はどれも先端部がとれてしまって、棒のようになってしまっている。これでは、木の幹にとりつくことも難しいだろうし、そもそも既に１０月だ。卵を産んだのかどうかはわからないけれど、どんどん寒くなる中でやがてこれも死んで行くのだろう。そのまま、そっと地面の脇にあった倒木の上に置いておいた。

　それから、山道の終わりでは、足音に驚いたヘビが逃げて行くのを見た。写真を撮る暇もなかったけれど、赤い斑紋が見えたから、きっとヤマカガシだ。

　ヘビの逃げ込んだ斜面に生えていた木はいつの間にか、紅葉を始めていたし、セイタカアワダチソウが黄色い花を咲かせていた。

　

　これからの季節は一年で一番美しいけれど、一瞬のうちに過ぎていく。
　
　

　仕事なんかしている場合…です。はい。
　さあ、仕事仕事…。