hyla’s blog

はてなふっかーつ!

雨の一日

朝起きてカーテンを開けてみたら、雨が降っていた。既に本降りだったし、台風が近づいているんだから、どう考えても一日雨になる。ということは、今日は鳥のラインセンサスもできないし、秋の浜採集も無理だし、庭の草抜きも剪定もできない、というかしなくて良いんだな。


 で家の中でできる事はなんだ?と考えて、ちまちま標本作りを始めた。



 5月のマウントは終わって、6月をマウントしたのだけど、6月の採集品は、オサムシやセンチコガネといった大きな虫が入る一方で、コケムシとかムクゲキノコムシとか、小さなものはとことん小さい。1週間ずつタトウからとりだして、少しずつマウントを進めた。そして、丸一日かかってできたのはこれだけ。

 

 標本箱に並べると、ずらりと並んだものを見てちょっと嬉しくなるけれど、一日かかってたったこれだけ?とも思える。でも、とにかくようやく6月も最終週まではたどり着いた。
 が、6月の最終週は手強い。何せ、あの地獄のように徘徊性昆虫が入り込んだ週なのだ。確か、あの週だけで100匹以上入っていたはずだ。しかも、ゴミムシとかゴミムシとかゴミムシとかゴミムシ…。もうね、真っ黒のゴミムシをひたすらマウントすると、心が折れます。
 

 でもそういうものをマウントする中で、こんなものも発見。

 

 クロシデムシにモンシデムシ。

 この中で、クロシデムシは、実は初めて見た昆虫で、FITの中からとりだした時には見たこともない虫に唖然としてしまった。真っ黒でごつごつしている一方で、形は微妙な曲線をえがいていて、私はなかなか格好いいと思う。これは、小鳥なんかの動物の死体の肉を食べて、しかも子育てをするシデムシらしいけれど、一度子育てしているところを見て見たいなと、思ったりする。ただし、ダニを乗っけて死体から飛んできたら、避けるだろうけれど…。
 それから、オオヒラタシデムシに似ているけれど、胸部背板が鮮やかなオレンジのシデムシがいて、ちょっと調べて見た。すると、チョウセンベッコウヒラタシデムシのような感じ。背板の中央部が黒くなっていればベッコウシデムシで、単に赤いならチョウセンベッコウヒラタシデムシなんだそうな。保育社の図鑑では、チョウセンベッコウヒラタシデムシの分布に四国は入っていないけれど、「香川」「チョウセンベッコウヒラタシデムシ」で検索すると「瀬戸内虫の会」で報告されているみたいだから、これも多分チョウセンベッコウであってる…と思うんだけど…。


 
 夕方、いい加減しんどくなって、雨も上がっていたので、ジョジョちゃんをなだめすかして海まで散歩に行った。

 
 川沿いに歩くと、台風で上流のダムが放水をしたから、茶色く濁った泥水が川幅一杯に流れて、海まで続いている。

 


 川ではちょうどこの時期、アシやオギの穂が出て綺麗になっていたのだけど、全て水の中。河原で鳴いていた虫たちも、ひなたぼっこしていたカメも、たくさん海までながされてしまったことだろう。
 けれど、嵐は悪いものではない。嵐が来て、たくさんの水が一気に流れることで、砂浜や藻場の砂、海藻や牡蠣が育つための栄養分が海に供給される。たくさんのものが死んだかもしれないけれど、一方でこれらによって生きる命もあると思う。そして川には、こうした氾濫によって生じた攪乱された環境を利用して生きるもの多いだろう。だから、ある程度は、嵐は必要なものでもあると思う。


 海まで行くと、大潮だから大きく潮が引いていたけれど、波は普段とは打って変わって濁った黒い波が激しく打ち寄せている。

  


 そして、波の打ち寄せる河口では、5.6人の人がサーフィンをしていた。波の穏やかな瀬戸内海では、普段の波の高さは50cm以下だから、サーフィンなんかできるはずもない。けれど、こんな日だけはさすがに波も高いので、その波を求めてサーファーが来る。こんなところまで、一体どこから来ているのだろう。

 


 
 そんな海を見て、夕暮れを見て、風を受けて、何となく良い気分になっての帰り道。突如として問題発生。


 ジョジョちゃんが、座り込んでお散歩拒否。「もう歩くの嫌〜!」ですか…。
 ええもう、しょうがないので、抱っこして帰りましたとも…。




 そんな一日。