散歩する
夕方、ジョジョちゃんとお散歩に行った。
犬とお散歩に行くなんて、至極普通のことと思うかもしれないけど、実はジョジョちゃんはお散歩デビューしたばかりだ。ジョジョちゃんは、我が家に里子として来たときからお散歩が嫌いな子で、無理矢理連れ出しても首輪抜けをして走って帰るし、お散歩中に出会った中型犬(とても大人しい子)にクンクンされただけでびびって腰を抜かしたこともある。なので、もうずっとお散歩はせずに、家の中でのんびりすごしていた。
けれど、先日あるきっかけから、ジョジョちゃんがお散歩するようになったのだ!
まだ今は、仕事の方もゆったりしているので、夕方明るい時間に帰ってきている。そして、日が落ちるのを待って、お散歩する。近くの川の土手は涼しい風も吹くので絶好のお散歩コースになっていて、この時間には様々な人や犬とあう。けれど、お散歩するようになっても、特に犬は苦手なジョジョちゃんなので、できるだけ人に会わないようにコースをとるけれど、それでも人とすれ違うときは尻尾は下ろしてびくびくしているのが見てもわかる。
けれど、犬を連れて散歩する人達は皆犬好きだし、ジョジョちゃんを見て、話しかけてくる。
例えば、
「かわいい子やなあ。これは何犬?」
「ただの雑種なんです。」(内心の声:そうやろ、そうやろ。ジョジョちゃん可愛いやろ!)
更には、あるおじいさん。
「これは狐が入っとんな?」
「……。ただの雑種なんです。」
ジョジョちゃんは、キツネと犬の雑種に見える?
つか、キツネは犬との間に、雑種を生じるのであろうか…?
そんな会話を交わしながら、ともすれば家に帰ろうとするジョジョちゃんをだましだまし、今日はそれでも海まで行った。
海に着いた頃、ちょうど空は夕焼けが綺麗になって、西の空はもちろん、東の空も夕焼けを反射してピンクに染まっていた。
散歩しながら改めて空を見ると、空は驚く程広くて高くて、そんな空はしばらくぶりに見る気がした。
そして、家につく頃には、「かたむく天に。鉤の月。」(草野心平 「るるる葬送」)