hyla’s blog

はてなふっかーつ!

雨宿り

 夕方、ぱらぱらと雨の音が聞こえた。遂に降り始めたのなら、ほとんど乾いた洗濯物を取り込まなきゃいけないな、と思いながら外を見た。
 
 その時、耳につく鳥の鳴き声がした。割と近くだ。ピイーッ、ピイーッと、繰り返し鳴く声はどうやらヒヨドリヒヨドリなら、我が家の庭の常連さんだ。でも、なんでそんなに激しく鳴くんだろう?と窓に近寄って声の方向をそっと見た。

 すると、何と声の主は洗濯物の物干しに止まっているじゃありませんか!どうやら、この雨を避けようと屋根のあるところに飛び込んできた模様。


 


 頭も背中も濡れてしょぼくれたヒヨドリは、庭の方を見ながらずっと鳴いている。その鳴き声も姿もよく見れば、何となく幼い感じがする。多分親と同じ大きさでも、今年生まれの若鳥だろう。親と一緒に行動していて、雨に驚いて屋根のあるところに入ったものの、親とはぐれて不安になってしまったのだろう。雨は次第に激しくなってきて、雷も鳴り始めた。でも、これでは洗濯物を取りに行けない。滝のように降る雨の中に追い出すのも可哀想だ。洗濯物は諦めてじっくり観察することにした。

 
 逃げるかな?と思いながら、カーテンを少し開けてカメラで撮ってみた。けれど、意外と逃げない。どう考えてもこちらには気づいているだろうけど、激しい雨に動くに動けないのだろう。そんなに鳴いたら疲れるんじゃないかと心配になるくらい、ヒヨドリはひっきりなしに鳴き続ける。その鳴き声は、まさしく泣き声で、ヒトである私もその声が気になってしょうがない。双眼鏡をとりだして、じっとその様子を眺めていたら、次第に雨は治まってきた。



 そして、ふっと雨が降り止んだ。



 それまで庭ばかり見ていたヒヨドリは、向きを変えてぶるっと大きく身震いし、のびをするように順番に脚と翼をう伸ばした。それからちょいとウンチをしたかと思うと、待ちかねたように一気に飛んで行った。



 そして、洗濯物はびっしょり…。