hyla’s blog

はてなふっかーつ!

今週の後半

 今週の後半戦を確認してみた。


 山はすっかりからからに乾ききっていたけれど、日曜日回収に行った後には、少し雨があった。なら前回よりは入っているだろうか?と思いながらFITを覗くと、オサムシやらセンチコガネが数匹入っていて、この時点でも前半戦よりは多く成っていることがわかる。と言う事は、やはり高温でも低温でも乾燥すると活動はあまりしなくて、雨が降って湿度が高くなると活動するのだろう。まあ、当たり前かもしれないけれど、確認できると楽しい。



 で、整理整頓したらこんな感じ。



 オサムシにセンチコガネ。アカバハネカクシにエンマコガネ類にコメツキだましかな?それから、小さなツブノミハムシと極小もの達はこんなもの。


 一つはハネカクシだけど、もう2つめ(右)のこれは一体何だろう?また、少なくとも科だけは調べてみないとね。

 




 そして、今回一番楽しかったのはこれ。


 大きさは2mmでちょっと大きめの印象だけど、これはきっとアリヅカムシだと思う。アリヅカムシはこれまでも入ってきているけれど、今回びっくりしたのはこのアリヅカムシの頭部の形。触角の基部をよく見て見るとこんな形になっている。


 何なんだこれ? 
 
 表と裏を間違えて見ているのかと思ったけれど、目の下がえぐれて、触角はその上に出た突起から生えているように見える。何とも、印象的な頭ではないですか。そして、変だよね。なんでこんな形なんだ?この形の意味は何なのだろう。どんな生態を持っているから、こんな形なんだろう。



 特徴的だから一応保育社の図鑑は見てみたけれど、わからない。まあ、当たり前。で、ついでに google でも画像検索して見たら、アリヅカムシ研究者の野村周平さんという方の研究紹介のポスターの端っこに似たような頭部のものがいた。同じ種ではないかもしれないけど、近い種ではあるんだろう。ポスターによると、アリヅカムシだけで国内1000種もいると言うから、保育社の図鑑のものは、ごくごくごくごく…(以下略)一部なんだな。鳥類なんて、亜種とか入れても600種くらいだから、本当に昆虫類の多様性は恐るべし。



 と言う事で、今回の後半では全部で15匹だから、今週はFIT2基で合計19匹だった。



 FITは多くの他の採集方法とは違って、継続して定量的に虫を採ることができる。そうやって採集してみると、これまで全く気づきもしなかった、小さいけれど(小さいから?)複雑で多様な生き物の世界があることに気づかされる。

 そして、1月から今までの8ヶ月で、多分採集された個体はもう1000個体を超えてきているけれど、季節と共にどんどん種類は変わり、その多くが1年のそれぞれ特定の時期に現れて消えている。どれも普通種だろうけど、多分季節による微妙な環境条件の違いを利用する事で、それらは同じ場所で様々な生態を持って共存しているのだろう。それは当たり前の事実だけど、実際に自分の目で見てみると、単純にすごいな〜と思ってしまったりする。



 が、たかが1匹のアリヅカムシをじっくり眺めまわして、こんな悠長な事を考えられるのは、今は少し時間があるからなんだよね〜。9月からまた猛烈に忙しくなるのだけど、続けられるだろうか…。



 頑張れ自分…。