山にでかける
暑いのである。暑すぎて、動く気になれないのだけど、何とか気力を振り絞って山へ出かけた。この暑さで仕掛けたFITの液は減っていないか確認し、更にこの3日で入ったものを回収しておくのだ。液の中で崩壊したり、腐敗したりする虫を減らしたい。それには、こまめな回収しかないじゃありませんか!
と言う事で、3時すぎに山へ行った。少し雲が出てきていたけれど、このところの暑さで山は乾燥しきっている。山の入り口の水たまりは、妙に濁っていて周囲を踏み荒らした後もあったから、この暑さにイノシシが水に入ってくつろいでいたのだろう。
それでも山に入ると、もうたくさんのツクツクホウシとヒグラシ、それに薮の中からは鳴く虫の声がしていた。季節がまた変わりかけていることを、強く感じてしまう。
そして、どきどきしながら覗いたFITは、拍子抜けするくらい何も入っていなかった。見えるのは、オサムシが1匹とアカバハネカクシくらい。もちろん小さなmm単位のものは入っているかもしれないけれど、先週に比べて激減した感がある。とりあえずFITの虫を回収して、それから時間もあったので、少し周囲をうろついてみた。
今回はとにかく乾燥がひどくて、見るのは、枯れ木についているキマワリ?ばかり。それでも、薮の側の乾ききった川を渡って、少しだけ山道を登ってみると、枯れていない水の流れがあって、そこには大きなトンボが縄張りを構えていた。
この辺の山はどこも崩れやすい花崗岩からできているから、大雨の度に流れてくる大量の水は谷筋をどんどん削っていて、川の回りの木は何本も倒れている。
そうやって立ち枯れた木は、適度の湿度もあるから菌類には絶好の環境になっているのだろう。木の表面には何種類もの粘菌の子実体が見えたし、マンネンタケ(霊芝)もあった。中には黄色い変形体もあって、これは明日には隣に見えた白い子実体に変わるのだろう。
それから、枯れ木の下では、ばらばらになったノコギリクワガタと、クワカミキリの羽をひろったし、流れの絶えた所にはアリジゴクの穴があって、掘ったら繭があった。
それほど距離は歩かなかったけれど、じっくり眺めていたら思いの外時間がかかっていて、下って来たときには5時を過ぎていて、いつの間にか空も曇って小雨が降り始めていた。
この雨は、虫の飛翔を誘発するだろうか?高温・乾燥で虫が活動しなくなっているこの時期の雨は、どんな影響を与えるだろう。 次の回収では、どんな結果を見るだろう。
ちょっと楽しみだね。