hyla’s blog

はてなふっかーつ!

海岸制覇


 昼をずいぶん過ぎて、出かけてみた。春から、この辺の海岸の虫をちょこちょこ採っていて、後少しで海岸と名のつく所は制覇なんだけど、その少しがまだ制覇できてない。後ちょっとだけだし、制覇したい。で、出かけてみた。


 車に乗ってついたところは、徳島との県境に近い海岸。確かここには海水浴場があって、それなりに海岸があったはずだ。駐車場に車を置いて、海岸にでてみたなら、こんな事になっていた。

 

 浜が…、造られてる。これは、天然自然の瀬戸内海の海岸ではない。瀬戸内海の海岸というものは粒径は違えども、どこも薄茶色のいわゆる「白砂青松」なのである。堤防の作りといい、消波ブロックと言い、明らかに最近作り直して海岸には採石を入れてる。それでもなお、波でずいぶん浜は削られ続けているのだろう。波打ち際は、急な傾斜になっていた。
 この浜には、物心ついて以降は来たことがないけれど、赤ん坊だった私が海水浴している写真があって、それが確かこの浜のはずだ。その写真では、もう少し細かな砂の砂浜だったし、向こうの方まで遠浅だった。それが波で浸食されて、作り直したのだろう。

 
 となれば、余り生き物は期待できない。何かせっかく来たのになあ…、と意気消沈しながら一応浜辺を歩いてみた。波打ち際に線になって打ち上がっているゴミを見ながら歩いていくと、あるところから急に足下がふかふかになったものだから、石を掘ってみたら海藻がわんさか埋まっていた。それをひっくり返しながら、何かいないかと見てみたけれど、あまり昆虫の姿は見つからず、わずかに海藻の中にケシガムシの一種と、ハネカクシが1匹とれただけだった。

 

 まあ、こんなものかな、と思いつつ今度は堤防のコンクリートの部分に溜まっているゴミをかき寄せてみると、トビイロシワアリに混ざってアリではない小さなものがいたので、採っておいた。
 
 確認してみれば、採れたのはアリモドキと、ミズギワゴミムシ。アリモドキは、ヨツボシホソアリモドキで、ミズギワゴミムシはクリイロコミズギワゴミムシではないかと思うけど、あんまり確信はない。




 それから、続けてもう一カ所、ある川の河口に行ってみた。下りてみれば、潮はちょうど引き始めていて、波打ち際には分厚く海藻が打ち寄せられている。先日は台風もあったし、季節もあるのだろう。いずれにせよ、これほどたくさん海藻が打ち上がっているなら、さぞかし虫もいることだろう、と思いながら座り込んで海藻をひっくり返してみた。


 ところが、掘っても掘っても、出てくるのはトビムシ環形動物ばかり。新鮮な海藻だからいないのか?と思ったけれど、乾燥しかかっている所でもほとんどいない。これだけたくさんの海藻があれば、ハネカクシなんかが山ほどいると思ったのに、何故だろう?

 そして、腐った海藻を掘り返しながらようやく採ったのはこれ。 ケシガムシの一種に、ヨツボシホソアリモドキ?それから詳細はわからないけど、とにかくアリヅカムシ。それから一匹だけ採れたハネカクシは、見てみると頭がなくて、さすがにこれはゴミだね。


 

 


 この辺の海岸を見回り始めたのは5月で、その頃にはたくさんハネカクシを見た。ところが今回はどちらも海藻はたくさんあったのに、びっくりするぐらい虫は少ない。あれから2ヶ月近くがたっているので、季節と共に昆虫の種類が変わってきてるのだろうか?、ハネカクシ類の発生時期が終わりかけてるのだろうか?それとも、時期ではなくて場所の問題で、ここにはいないという事だろうか?
 基本的な知識がないので、その辺の判断はつかない。そして、時期の問題であれば、今までの採集データで場所の比較はできないと言う事になる。
 正確なデータにしたかったのであれば、短期間で一気に採集データを採らねばならない。けれど、それはさすがに私には無理だ。それでも、これまでこの辺の海岸で採集してきた事は、全く意味がないわけではない…はず。普通種のデータであっても、時間と共にそれがむしろ貴重なデータになることもある。だから、意味がない…訳ではない!よね…。

 

 
 と言うわけで、これにて香川県の東部の海岸は制覇!



 でも、季節と共に虫の種類や数は変化するのかな。
 夏もまた行くべき…?

 ( ̄~ ̄;) ウーン