美しきもの
仕事を終えて、いつものように和もうと思ってボルボックスを取り出して見たら、何だか様子が違った。綺麗な緑の粒は見当たらず、緑のヘドロのようなものが見えるのみ。慌てて実体顕微鏡で詳細にみてみたけど、あれほどたくさんいたボルボックスはほとんど消えていた。
せっかくあそこまで増えたのに…。
(p_q*)シクシク
原因は、多分恒温器の温度を20℃から25℃に上げてしまった為であろう。温度を上げると良くないということはわかっていたのだけど、諸事情あって上げざるを得なかったのだ。そういう点では、予測された結果とも言える。が、何とも残念。
そこで、ほんの少しでも、池にまだ生き残っていないかと思って、少し暗くなりかかっていたけれど、ため池に行ってみた。こういうことは予想していなかったので、スカートにストッキングにかかとのあるサンダルという格好。ストッキングを伝線させないように気をつけながら池の縁に立ってプランクトンネットを投げ込んだけど、採れたものは既に藍藻類に変わっていた。今年はもうボルボックスの時期は終わったようで、諦めるしかなさそうだ。
しょうながいのでネットを引き上げて、車に戻りながらその辺を眺めるともなく眺めた。そのとき、ふとこの木に注意がいった。何かいるよね。
更に近寄って枝をひきよせてみれば、これ。
ヽ(*^^*)ノ
いやあ〜ん。ヤママユじゃないですか。久しぶり〜。
もう、この透明感のある緑。たまんない。ぷくぷくしてて人の小指ほどもある。これはもう終齢幼虫じゃないかしら。もう、どうしてこんなに綺麗なのかしら。いいな〜、嬉しいな。真っ白ですぺすぺしたおカイコさんも好きだけど、天蚕はやっぱりもっと綺麗でカッコイイ。しみじみ好き〜。
そして、この美しい緑色はこうしてみると、木の中にあっては本当に保護色なんだな、と思った。
その傍には、赤い実が見えて、これはこれはウスノキだろう。ツツジ科の植物は、どれも枝振りが優しく優美だ。赤い実は食べられたはず、と思って一つとって食べて見たら、かなり酸っぱかったけど、その酸っぱさが美味しかった。
ボルボックスはやはり残念だけど、久々にヤママユガをみれたのは、嬉しかった。
こういうのをみると、思ってしまう。
いつか…、憧れのヨナグニサンを、生で見てみたいね。