hyla’s blog

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スナメリ(その後)


 昨日の晩、あれこれスナメリについて、ネットで調べて見た。

 
 海生哺乳類が打ち上がったり、死んで漂着することをストランディングというのだけど、こうしたストランディング情報は、国立科学博物館http://svrsh1.kahaku.go.jp/m/mm/がある。ただ、ここには情報提供をどのようにすれば良いのかは掲載されていない。
 調べていくと、国立科学博物館のデータベースの元になっている情報を収集しているのは、この (一財)日本鯨類研究所 : ストストランディングレコードデータと言うところだとわかった。情報提供は、ここの書式に従って記録を送付すればOKらしい。


 これらを見ながら、今回のスナメリの対応策を考えた。

 とりあえず場所と日付、種類情報については、私でも送れる。ただ、完全な素人の私だと見落とす情報があるはずだ。できればプロの方に見て頂きたい。そして、過去の香川県のスナメリ情報を見てみると、http://www.j-dc.net/がスナメリ情報を上げているじゃないですか。
 
 そっか〜、ドルフィンセンターならイルカは専門だし、海生哺乳類つながりで、ついでにこうした情報を集めていても不思議はない。

 
 なので、ドルフィンセンターに行ってみることにした。確か、責任者の方は獣医さんでもあって、すごく海生哺乳類が好きでやっているという感じだった。少なくとも、本当に落ちているのがスナメリかどうかは教えてもらえるだろうし、怒られることはなかろう。忙しくて手が回らないなら、その時は私が自分でやればよいのだ。
 そして、勇気を出してドルフィンセンターに行ったなら、
 「こうした情報はとても有り難いです。なかなか情報を教えてくださる方はいなくて…。」とのこと。
 よかった、知らせてみて(^^)。
 死体は状況に応じて、DNA検査のサンプルや、骨格標本などにされて各機関で利用されるということで、プロな方の所には、こうした標本を欲しがっている所の情報もあるのだ。やはりここは連絡して良かった。プロな方は対応も早くて、その後すぐに取りに来てくれて、腐乱がかなり入っていたのだけど、その場で計測をしてさっさと袋にまとめて持って帰っていった。いやはや、見事な手際でございました。

 
 さすがだね。スバラシイ。



 で、無事一件落着となったのだけど、今回の事で、考えたこともある。

 海岸に行って海生哺乳類を見て、そうした情報は重要だと考える人はどれだけいるか?もし大事な情報と思っても、その情報を送る先が探せて、実際に行動に移す人はかなり少ないんじゃないだろうか?博物館がきちんとあって、そこに情報を送れば良いと言う事がわかっているような県だといい。けど、公的博物館のない香川みたいなところでは、打ち上げられたスナメリをたまたま発見した人がいても、この情報は重要かもと思っても、ではどうすればよいかがわからず、そのままになってしまうことが結構あるんじゃないだろうか。だからスナメリが死んでいても、その多くは記録されることなく海岸で腐ってしまっている可能性が高い。
 

 だから、せめてもっと情報を送りやすいようにした方が良いんじゃないだろうか。 
 

 こうした情報は「ストランディングレコード」と呼ばれていて、この言葉を検索にかければ上のページは出てくるけれど、そもそもまずこの言葉を普通の人は知らないだろう。私にしても、ストランディングまでは知っていても、「ストランディングレコード」なる言葉は知らなかった。
 ストランディングレコードは、確かにとても重要な価値を持つと思う。情報は、未来への贈り物でもある。だから、日本鯨類研究所のこの活動はすごく大切で良いことだと思うんだけど、探しだしにくい。素人でも探しだしやすいように、トップページに近い、もう少しわかりやすい所にこのページを置いておけば良いのにとは思った。また、もし近所でそうしたものを見た場合、直接日本鯨類研究所以外ならどこに連絡すれば良いのか、各県の連絡先一覧があるとありがたい。
 これは、科学博物館のデータベースでもそうだ。データベースそのものは、今回ついでに瀬戸内海のスナメリの情報を検索してみたら結構興味深かった。けれど、検索はできるけれど、そこに情報提供の方法について記載されたページはない。何か、理由があるのだろうか?もし、特に理由がないなら、リンクくらいはればいいのにと思った。

  

 と言う事で、スナメリ等々海生哺乳類が落ちていた場合には、まず連絡であります。
 香川県東部な皆様は、津田のドルフィンセンターに連絡でございます。



 そして、香川県はこういう生物についての情報を集約する機能を持つ博物館をいい加減つくってよ。
 標本を納めておく場所と、何より人を、専門家を雇ってよ。
 

 香川県は、社会教育における科学教育を舐めてるとしか思えない…。