hyla’s blog

はてなふっかーつ!

今日はアリ

 先日海へ行ったときに、海岸近くにアカマツの枯れ木があった。何となく、表面の皮を剥いだら、中に見慣れない少し大きな黒いアリがいたので、数匹採って帰っていて、今日時間があったので、何か調べて見た。
   

 使ったのはアリの生態と分類。南九州のアリの本だけど、四国となら共通するものも多いだろうし、全てのアリは掲載されていないけれど、簡単な検索図もある。何より、恐らくはマイクロフォトコラージュで合成された隅々にまでピントのあった写真と、そこに矢印で示された識別ポイントがわかりやすい。
 

 で、今回のアリは腹部に4つの斑紋があり、脚の長いやや大型のアリという明確な特徴があったのですぐに(たぶん)ヨツボシオオアリだろうとわかった。これで、また一つ識別できるアリが増えた。単純に嬉しい。

 

 私がアリを覚え始めたのは、3年ほど前、地元大学のアリの先生の講習会でアリの見方を習ってからだ。そこで始めて、ずっと我が家の庭にいて、「アカアリ」「クロアリ」としかみていなかったものが、「オオズアリ」と「クロヤマアリ」であることを知った。オオズアリがわかると、「アカアリ」としか見ていなかったものに、実はトビイロシワアリとアミメアリが混ざっていたことがわかるようになった。それから、「クロアリ」にも「クロナガアリ」もいたことに気づき…、そうやって少しずついろんなものが見え始め、世界がクリアーになっていく瞬間が好きだ。

 
 そして、少しだけ知識を持って地面を眺めていると、更にいろいろな事が見えてくる。
 
 オオズアリとインドオオズアリの微妙な形の差や歩き方の違い。アリヅカコオロギが住んでいるのはトビイロシワアリだということ。クロオオアリのワーカーにも、大きさの微妙な違いがあること。体には不釣り合いなほどの大きな実を運ぶ、ゆっくり不器用そうなクロナガアリの歩み。
  
 

 そういうのがわかるのは、ひとえに優秀な図鑑のおかげだ。アリについては、日本産アリ類全種図鑑 (学研の大図鑑)もあるし、アリ ハンドブックも、それからこの本もある。それから、太っ腹な事に誰でもアクセスできるアリデータベースもwebにあって、だから教われる人がいない田舎でも、少しずつ覚えていくことができる。
 そしてお調子者なものだから、素人の私であってもとりあえず採っておいたら、何とか識別して、今この地に棲んでいるものを明らかにしておくことができるかもしれない、とついつい妄想を膨らませてしまう。
 
 
 
 が、世の中そうそう甘くはない。検索図があれども、わかるとは限らないのだ。

 先日山に行った際に、活動を始めていた、このアリの正体がわからない〜。

 

 

 クサアリ系かと思ったけど、ちょっと大きさが小さいんだよね。
 真っ黒だし小さいし、細かな構造が見えにくい〜。
 
 

 ああ、この道は果てしなく長い道のり…。