「ヒューマン」

　ＮＨＫスペシャルで、人間とは何かを考える「ヒューマン」というシリーズがあるのだそうだ。とりあえず、このたぐいは一応見ておくべきと考えて、見始めた。

　
　第1回目の今回は、NHKスペシャル

　
　ヒトが、厳しい自然環境に適当できたのは、同じ群れだけでなく、異なる群れとも食べ物を分け合うことを始めたからで、必要なものを分け合うことがヒトの大きな特徴とか。様々な都市で大規模に行われたという実験で、現代人であっても、好きなだけとって良いと言われて渡されたお金を全部自分のものにはせず、次の人に約半分は残したという結果は素少しほっとするような感じだった。

　
　だけど、本当は、その時そこにある食べ物を採り尽くさない理由は、完全に採り尽くすと次の実りが無くなるということが大きいだろうし、食べ物を分け合う事によるデメリットより、食べ物をめぐって互いに争う事によるデメリットの方が大きいからだろう。
　でもまあ、「人は互いに分かち合うことによって、人になったのである。人は分かち合う事ができる動物。」というのは、今の世の中に届けるメッセージとして、悪くはないと思った。

　これらを伝える番組の画はとても綺麗だ。特に、中に出てきた少女が印象的で、キリンヤガ (ハヤカワ文庫SF)を思い出した。番組の少女のイメージは、「空にふれた少女」カマリみたいだ。驚く程聡明で、だから悲劇的な死を迎えてしまったカマリは、キリンヤガの中でも最も印象に残り、忘れられない。
　けれど、番組の中の少女は、きっと成長し、子を産み、その子孫はアフリカからグレートジャーニーを始めていくんだ。きっとね。

　
　つーことで、次回も見てみよう。