hyla’s blog

はてなふっかーつ!

山に行く


 あんまり良い天気なので、思い立って山に出かけてみた。この辺の里山が一番登りやすいのは、11月〜4月で、晩秋から冬にはよく登っているけれど、この時期にはあんまり登っていない。けれど、他に登る人もおらず、のんびりのんびり生き物の観察をしながら登ることができる。

 登り口の草原には、たくさんのトンボが休憩をしている。砂防ダムや谷川で産まれた個体が餌の多い山で成熟を待つのだろう。それから、ちょうど開花時期を迎えたヒヨドリバナにはチョウもハナアブハナムグリもいろんなものが集まっている。山の細道の入り口には、たくさんのホトトギスが咲いていた。
 それから、至る所に蜘蛛の巣があって、中にはもうこの時期ながらずいぶん大きなジョロウグモもいて、巣にはオスグモまでやってきていた。
 


 

 そんな中で、今日一番印象に残ったのは、このハチ。




 標高300mほどの乾いた尾根筋を足下を確かめつつ登っていたら、1cmほどの穴のなかにこのハチが潜りこんでいるのが見えた。大型で、3cmほどの黒いがっしりとしたハチだ。腹部にオレンジ色の太い縞があるのが特徴となっている。

 彼女は、頭を突っ込んで一生懸命土を掻き出していた。ということは、狩り蜂の母蜂だろう。夢中になっているので、座り込んでこちらもじっと見てみる。彼女は何度も何度も潜っては土を掻き出し、そのうちに穴の中にすっぽり入ってしまった。穴から20?ほど離れた所には足の長さまで含めると5?近くある大型のクモが1匹落ちていた。色合いからして、アシダカグモの仲間だろう。これをクモはひっくり返してもごくわずかしか動かず、既に麻痺しているようだ。穴を掘ったら、クモを引きずり込んで卵を産むのだろう。この大きなクモをどのように小さな穴に引きずり込むのか興味はあったが、さすがに夕方が近づいていたので、20分ほど見て切り上げた。
 家に帰って調べてみると、どうやらオオクロベッコウバチらしい。こういうのを見ると、日本蜂類生態図鑑―生活行動で分類した有剣蜂が欲しくなるのだけど、中古でもこの金額ではさすがに買えない。けれど、こうした狩り蜂の行動は、ファーブルで刷り込まれているから、観察せずにはいられない。



 そうやって、地面のハチを眺め、樹上を這う蟻を眺め、朽ち木の子実体を眺め、まだ青いドングリを眺める。
 ヤマナスビの黒い実を食べて、たくさんのキノコを採る。
 

 
 涼しくなったとは言え、ほとんどの人はまだ山に入らないこの時期、驚く程たくさんの生き物がいる。そういうものを眺めて、何となく嬉しくなる。



 んが、普段なら2時間あれば余裕で往復できる山に三時間というのはやはりかかりすぎ〜。