hyla’s blog

はてなふっかーつ!

少し良いこと


 庭木の剪定をしてもらった。親が以前から頼んでいる人なので、しょうがなくしてもらったけど、今回もとっても哀しいことがいろいろあった。

 わざわざ印までして、「印をしているものは切らないで。」と頼んだのにもかかわらず、先端をばっさり切られたユキヤナギや、枯れ木と間違えたらしく根本からざっさり切ってしまった30年もののサツキ…。花が咲く直前のナカガワノギクも根本から刈られてしまったし、これまた「切らないで」と言ったのにロウバイは、高さ3mほどで蕾のたくさんついた直径10cmほどもある幹を1mの高さで丸太ん棒にしてしまった。ど、どうして…。どうしても低くするにしても、それなら横枝は残すもんじゃー!
 そして、こんもり育ったバーベナは、跡形もなく消え失せた。
 
 あああああああああああああ………orz。


 言ったのに、言ったのに、あれだけ言ったのに…。


 しかも、鉢植えの観葉植物の葉を刈り込むってどうよ。夏中かけて立派に育ったクッカバラの葉はほとんど切り落とされ、大きなコウモリランの葉は、半分のところで全て切られた。
 観葉植物…だよ。


 ああ、事を荒立てる訳にもいかない。そして、内心泣きながら「どうもありがとうございます」と言ったのである。ああ、また請求書もがっちりくるんだろうなあ。


 と言うことで、本日は庭を眺めてはため息をついていた。あっちで、こっちで、切られた枝を見ては、おちた葉を拾ってはため息なのである。


 そうやって、見ているうちに、ふと地面に見慣れない黒いアリがいるのに気づいた。

 
 


 明らかにいつも見るクロヤマアリではない。それよりはだいぶん小さく、5mmほど。体は細いが、頭は結構四角くて頑丈そうだ。そして、そういうクロアリに気づいたのは、彼らがそろいもそろって、草の種子を咥えて運んでいたからだ。赤い実はこれまたきられてしまたミズヒキの種子だ。彼らの頭部よりも大きな赤いミズヒキの赤い種子を重たげに咥えて、ゆっくりと歩いている。座り込んで眺めていると、オオズアリの行列ほどはっきりしたものではないが、あっちにもこっちにも歩いている。
 ついつい、気になって追いかけてみたら、我が家から出て道を歩いて隣の家の日の当たる植え込みにできた小さな穴に入っていった。5m以上ある道のりを歩いて、種子を運んでいるのだ。


 種子を運ぶアリで、黒いアリというと、私はクロナガアリしか知らない。けれど、名前と習性は知っていても、実物はまだ見たことが無かったから、そっと手にとって持ち上げてよく眺めてみた。小さくて細い体に腹部も小さい。肉眼では分かりにくいが、その腹部の前にある節はどうやら二節ありそうだ。なら、クロナガアリに間違いないだろう。
 クロナガアリは「アリとキリギリス」のモデルとなったアリだ。冬に向けて、種子を蓄えているのだろう。巣が我が家ではなくて、隣にあったと言うことはちょっと残念だけど、クロナガアリも身近にいたんだな、と嬉しくなった。
 じっと眺めて、ついでに庭の他のところに生えているミズヒキからも実を集めてアリの近くにたっぷり撒いてやったら、ゆっくり不器用そうに、それからずっと種子を運んでいた。


 今日の、少しだけ嬉しいこと。