hyla’s blog

はてなふっかーつ!

稽古事って


 茶会があった。それも6.7日の2日間。
 
 ・・・・・しんどかったorz。




 今回の茶会は、地域の文化祭の添え釜である。お茶の先生が持ち回りでずっと行っている定期的な茶会なら、1年以上前からその日程が周知される。お茶券も、2ヶ月以上前から配布され、仕事の繰り合わせも含めて、それなりに準備ができるのだ。
 ところが、今回のお茶会は、なんと1ヶ月ほど前に決定。ある日突然「今度お茶会を受けることになったけん頼むな。」と言われた時には、目が点でございますよ。
 って、仕事が…。

 
 
 先生、お茶会を受ける前に、私たちの仕事の都合を聞いて〜!土日が休みとは限らないのよ〜。(←心の叫び)


 
 うちのお社中の現役で稽古をしているのは、3名である。1席に30人程度はいる普通のお茶席は、着物を着て表で活動する人員が、お手前とお運びだけで6.7名は必要だ。だから、既に稽古を辞めている方達や、公民館活動で少しだけされている先生の知り合いを動員し、何とか格好をつけるのだが、やはりお手前と半東(亭主の補佐役、座の事務的な切り盛りをする人)は稽古をしている人でないと、難しい。更に受け付けも経験者がいるから、これで3名。私を含め、3人の稽古仲間は絶対にいないと席が成立しないって事ですよ。なのに、こっちの仕事の都合を聞かずにお茶会を受けないで欲しい。ああ、仕事が…。


 と言うことで、ありとあらゆる所を拝み倒して大顰蹙な手配をかけ、無理を通して仕事を空け、2日間お茶会漬け。しかも、同時に華展もあったから、そりゃあすさまじいものがありました。


 
 夕方6時、帰って、くつろいだ格好になって、お茶を飲んでようやくほっとする。
 明日は絶対筋肉痛だ。そして、無理矢理空けた仕事のたまり具合が恐ろしい。



 そして考える。
 伝統芸能を伝えることも必要だけど、実際にやるのはしんどい。こう言う習い事って、自由な専業主婦か、土日休みの毎日定時帰りの仕事についている人でないと無理だな〜とつくづく思う。けれど、その条件を満たせる人はなかなかいない。私達にしても、これまで先生が辞めさせてくれないので続けているのだが、先生が退かれたら、お茶もお華も辞めるかもしれないなと思う。


 残念と思わないわけではないし、稽古仲間は貴重な縁だと思う。けれど、自分たちが、この上先生となって先生同士のつきあいから弟子をとることから全てやれと言われたら、絶対に無理だ。だから、和物の伝統芸能はこれからも廃れていくだろう。それでも良いとは思わないが、けれどその潮流を止められないとも思う。


 だから、季節の良い時分に、近所で開かれているお茶会や華展があったら、今のうちに見ておいたら良い。きっと多分、30年後にはそれらの半分くらいは消えてしまうんじゃないだろうか。

 茶会には季節のしつらえや、古風な作法が生きていて、そういうのはその場その時しか味わえないものだ。
 薄端に入れられた流麗な曲線の御生花や、気合いの入った盛り花も、技術・知識・経験・センスがあり、その場に花を生ける機会に恵まれて初めて存在するものだ。けれど、近い将来それらはだんだん消えていくだろう。一部の華道の三大流派や、表や裏千家は残るだろうけど、広く日本全体にそれらの担い手が存在するという状況は維持できないだろう。



 だからね、できたら華展に茶会に来てくださいまし。


 ああ、茶会で一日100人少々のお客は、どっと疲れる。
 

 少なすぎて…。