hyla’s blog

はてなふっかーつ!

いろいろ住んでます


 夜、部屋でふと目の隅にうごくものを感じた。

 壁沿いの床に黒いものが動いたのだ。となれば、いつものあれに違いない。ならば、と気がつかないふりをしてキンチョールと紙を持ってきた。


 準備万端整えて、この辺と思われるところを見ていると、確かに動くもの発見。んが、「かささっ」と動くのではなかった。「ぴょん」とも動かない。奴は(雌かもしれないけど)、音もなく静かに動いていた。無数の足を波のように動かしながら。

 って、ムカデかい。しかも、でかい。15cm近くある大物だった。おそらく色合いからしてトビズムカデであろう。


 超大物のトビズムカデ・・・・・。



 一瞬見なかったことにしようかと思った。が、そうもいくまい。大物だろうが、なんだろうが、ここは退去いただくよりないのだ。
 

 っが、ムカデにキンチョールは違うだろう。紙でってのもやはり万が一を考えるとダメだ。大型のピンセットでもあればそれで挟むのだけど、そんなものはない。とにかく、はさんで何かに入れて追い出すのがよかろう。で、なにで…。
 こっちが見ていることは気づいていないだろう。相手はゆっくり動くので、それを見ながら考えた。
 
 その間にも、奴はゆっくり床をはい、突き当たった所から今度は壁を上り始めた。器用なもんだ。砂壁だから摩擦があって登りやすいようだ。ってか、感心している場合ではない。どうやったら安全・確実に一発で捕獲できるか…。



 で、持ち出したのが、割り箸にちょうどあった段ボールの空き箱。作戦はこうである。

 まずムカデの下の部分で壁に沿って段ボールを構えておく。それができたら、そっと上のムカデを割り箸で箱に追い込んで捕獲する。

 これならいくら何でも、失敗はあるまい。




 と言うことで、おそるおそるムカデの下に箱を構えて、ムカデに向かった。そっと割り箸で刺激するも、ムカデはかえって上に登っていく。ぽろりんと落ちるかと思ったのに以外と落ちない。頑丈に壁に張り付いた奴を、しかしなんとしても箱に入っていただくよりない。頭の方から更に引っ張るように下に誘導すると、何とか下向きに動き、段ボール箱の部分に来た。つるつる滑る紙に一瞬立ち止まったが、そのまま強引に押し込んだ。


 捕獲完了!



 でさて、どうしよう。お亡くなりになっていただくか、逃がすか?一応種名確認のためにネットで検索すると、なんと「ムカデの飼い方」とか「ムカデの食べ方」なんてサイトが引っかかる。って、さすがに「飼う」「食べる」はご勘弁。ぐちゅっとつぶして…、ってのもなんだかだ。
 と言うことで、そのままきっちり蓋をしたまま朝を待って、早朝近くの川に放り込んできた。川と行っても香川の川のしかも今時分だから、水はほとんどない草原だ。湿り気もあってそこなら生きられるだろうし、そこで生きる分には、人間の生活に入り来まない分には、良いのだ。



 と言うことで、一件落着したのだが、疑問がある。あんな大物のムカデは我が家で暮らしていたのであろうか。それとも外から入りこんだのだろうか?


  
 大物ムカデを育ててしまう環境が身近に…。ま、あんまり深く考えないことにしよう。うん、そうしよう。