陰にいるのは
夜、台所の流しのそばの食器の陰から、長い触覚が見えた。ちゃんと洗って、乾くまでと思って伏せて置いておいたのだけど…、奴がきたか。
とりあえず、そっとそのままにして殺虫剤のスプレーと、出てきた所を捕獲するべくティッシュを用意した。準備は万全。飛び出した時に逃げるであろう方角と、その時の対応策までシュミレートして、そっとお皿を動かした。
ところが「かささっ」、ではなくて、「ぴょん」と跳びだしたのはなんとコオロギ。エンマコオロギのメスだった。コオロギは焦ってぴょんぴょん跳ねて、シンクの中の排水口まで入ってしまった。
しょうがない…。
殺虫剤のスプレーを置いて、排水口の金網に手を突っ込んで、傷つけないよう気をつけて捕まえて、そのまま裏口から放り出した。
秋だな〜。